インタビュー_190122_0008

『子どもたちが安心して帰れる場所をつくりたい』創造アトリエおおきな木 主宰 川﨑久美さん

“創造アトリエ おおきな木” は、埼玉県川口市の閑静な住宅街にあります。アトリエの扉を開くと、「こんにちは!」と安心感溢れる笑顔で迎えてくれる代表の川﨑久美さん。「子どもたちは可能性のかたまり」と断言する川﨑さん。アートを通して、人を可能性として観ることができる背景に何があるのか、川﨑さんの人生ストーリーをご紹介します。

【プロフィール】
出身地
大阪府松原市
活動地域
埼玉県川口市
経歴
現在 創造アトリエ おおきな木 主宰。造形家・美術家としての活動後、2008年より埼玉県川口市立アートギャラリー・アトリアにてアートコーディネーターとして6年間勤務。主に子どもを対象とした展覧会やワークショップの企画・実施、学校とアーティストをつなぐ事業を担当。2013年より芸術造形研究所にて臨床美術を学ぶ。これまでの活動を通じて、多様な価値観や視点をもつアート(美術)に今後の多様な社会を生き抜くヒントがあると確信し、2014年4月より創造アトリエ「おおきな木」をOPEN。現在、乳幼児〜高齢者を対象に「自分らしく表現することの出来る場」を提供し続けている。一児の母。

子どもたちが、安心して訪ねて来られる場所にしたい

記者:  川﨑さんの夢は何ですか?

川﨑さん:先日、作品展を開催して、子どもたちが作った作品を展示したんですね。これは「作品の見せ方」を工夫したのですが、お客様から「子どもがつくった作品とは思えない」というような前向きな感想をもらったんです。子どもたちの作品だけど、アート作品として出会って欲しいですし、子どもたち自身が、自分の魅力に気づけるきっかけを作っていきたいです。


あと、“子どもたちが安心して訪ねて来られる場所”にしたいという夢があります。今アトリエに通ってきている子たちが、中学校、高校に進んで大人になって、相談に来たり、ご飯を食べに来たり、安心して帰れる場所にしたいです。このアトリエを大きくしたいとうよりも、個々にとって必要な場所になっていたいという想いが強いです。だから、私はこの場所を守っていきたいんです!

私、昔からヤンキーと呼ばれるふうの子とも仲良くなるタイプだったんですよね。中学生だったのですが、特に怖いとかもなくて、普通に接していて、家にもよく遊びにきたんです。彼らの話を聞いていると、寂しい想いをしている子が多くて、温かいものを求めているのかなと感じていたんですよね。だから、何かに悩んでいる子が自然と近づいてきてくれるような人でありたいし、そういった子たちが訪ねてこられるような場所でありたいですね。それが夢です。

子どもたちを尊敬している

記者:川﨑さんが活動する上で、大切にしている事は何ですか?

川﨑さん:子どもたちが気づいたことを拾ってあげたいと思っています。子どもが面白い視点で、課題から脱線してくれた時に、その良さを拾ってあげることを意識していますね。違うものになっていく作品も、周りもずるいと思うのでなくて、その良さを認められような空間の雰囲気をつくっていたいと思っています。宝じゃないですか、その視点が!

記者:本当に子どもたちの良さを引き出すような応援をしているんですね!

川﨑さん:自分は、子どもたちの良さを引き出すための踏み台で良いと思っています。子どもたちみんなが可能性のかたまりですし!みんなを“ぴゅ~んと飛ばせるような踏み台”になりたいんです!

記者:そこまで子どもたちを可能性で見れるのは、どうしてなのでしょうか?

川﨑さん:子どもたちを子どもとしては見ていないんです。素敵な人として、尊敬の念もあるし、魂レベルで見たら、子どもたちのほうが、自分よりもよくこの世を知っているのかもしれないと思う瞬間があるんですよ。輪廻というのか…。いつも子どもたちが帰った後に、作品を見ていると、凄いな~と感動しているんです。1人1人私にない凄いものがあるから尊敬をしちゃうんですよね!

記者:素晴らしい!川﨑さんの前で、子どもたちが伸び伸びする理由がよく分かります。

川﨑さん:そのきっかけとして、小学校5.6年の時の先生の影響が大きいですね。当時、30代の男の先生だったんですけど、何でもやりたい事をやらせてくれたんですよね。私は、小さい頃目立ちたがり屋で、影絵とか、演劇とかやりたい事を帰りの会で発表させてくれて、先生も面白がってくれたんですよね!

今、私が子どもたちにやりたい事をやってもらている背景には、その先生の存在が大きいです。伝えたいことが沢山あって、力が入りすぎてしまう時には、見守ってくれた先生の在り方を思い出すんですよね。色んなご縁で、今の活動ができていますが、原点に返してくれるのは、その先生の存在ですね。

人生に遅いはない!

記者:最後に読者の方にメッセージをお願いします!

川﨑さん:自分がやりたい事をやって欲しいと思います。私は、今の活動を始める時に、年齢的に遅いのではないかと言われることもあったんですね。でも、やらないという選択肢はなかったんです。もちろん、家族の協力や理解があってこそですが、出来るならやったほうがいいし、遅いってないと思うんです!自分の人生なのだから悔いなく生きて欲しいですね!

記者:川﨑さん、本日はありがとうございました!

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↓↓ 川﨑久美さんについての情報は、こちらです。


【編集後記】
今回インタビューをした田中と山田です。川﨑さんが子どもたちを人間として尊敬し、愛情深くまっすぐ向き合う姿勢が本当に素敵だなと思いました。アトリエに行けば、川﨑さんがいて、大きな器で悩みを聞いてくれて、自分を可能性を観てくれる!そんな大人や場が、今の時代に本当に希望だと思いました。今後も、ご活躍を応援しています!川﨑さん、ありがとうございました!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36