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台湾ひとり研究室:本屋編「新刊告知祭り:産地取材編2」

台湾には、いくつか離島があります。台湾本島も各地カラーが違っていますが、離島はそれ以上かもしれません。

書籍『「神農生活」のある暮らし』では、産地取材として澎湖諸島に行きました。個人的には、澎湖初上陸でしたが、聞けば、同行したカメラマン氏も神農生活のスタッフさんも初。思えば1年ぶりに松山空港から飛行機に乗りました。

取材2

前乗りしていたスタッフさんの案内に、カメラマン氏の運転で、島内をめぐりました。澎湖諸島の大きめの島が橋で繋がっていて、行き来できるようになっており、端から端まで周ることができます。

橋

伝統家屋の残る地域には、貝殻をうまいこと生かした建築群がありましたし、市場には海産物が新鮮なものから乾物にしたものまで、ずらり。本島の様子とはまた少し違っているのも興味深いものでした。

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ちなみに、冒頭の写真は、取材に伺った朝6時の魚市場の正面です。市場の中がどんな様子だったかは、誌面でお楽しみいただけたらと思います。

今回の取材は完全なるオフシーズンでしたが、澎湖といえば、夏の花火大会が有名です。取材先の方にもおすすめされたので、今度はオンシーズンに行ってみたいなと思っています。何しろ海の幸が本当においしかった! これは晩ご飯で出たうに炒飯。絶品でした。

うに炒飯

さて、産地取材の際に気づいたのは、ご実家の事業を継ぐためにUターンした方が多かったことです。ただ、最初から継ごうと考えていたわけではなく、家業とは関係のない、ほかの仕事をして外の世界を見た上で戻ってきている人が多い。中には「死んでも継がない」と断言していたけれど、最終的に戻ってきた、と明かしてくださった方もいました。でも、そうやって新しい世代に受け継がれていくことで、また新たな品が生まれていくのだろうと思います。新世代のプロダクトも楽しみです。

日本の地方創生の取り組みが台湾でも知られるようになり、少しずつ、地域の活性化を進める団体も出てきていると聞きます。最近、書店で地元に帰った人たちの特集を組んだ本があることも知りました。今回ご紹介した例は、やはりごくごく一部に過ぎませんが、少しでもそんな空気感が伝わればうれしいです。

勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15