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台湾ひとり研究室:本屋編「新刊告知祭り:スタッフからのコメント編2」

先週に引き続き、『「神農生活」のある暮らし』の制作スタッフからのコメントをご紹介していく第2弾。

今回は、編集ユニットHaochi Booksのおひとり、鈴木めぐみさんです。

——どんな人に読んでほしいですか。
すべての台湾好きの皆さんはもちろんですが、台湾を知りたい方、台湾がちょっと気になっている方にも、手に取っていただきたいと思います。それぞれのアイテムから見えてくる台湾があるはず、です。

——特に注目してほしいポイントや個人的なおすすめを教えてください。

3章。なかでも「食習」のページでは、「セレクトショップ」という枠を超えた、神農生活の違う一面を紹介しています。「食習」というリアルな場を通して伝えたいものは何か、少しでも共感いただけたらと思います。

鈴木さんには、数年前に別の取材がきっかけでお目にかかりました。この間に一度、新企画のお話もありましたが、残念ながら版元さんが見つからず、実現には至りませんでした。

新しい本が出る、というとき、いろんなパターンがあります。
1)版元の編集さんが「出したい」と著者を見つけてくる
2)著者さん本人が出したいと言って版元を探す
3)誰かが書いていたものが話題になり、本としてまとめられる
おおよそこの3つに分かれます(ほかにもあるかもしれません。まあ、ざっくりです)。

本書の場合は、大阪への出店が決まった神農生活さんが「日本で本を出せないか」ということで、話が始まりました。だから、2)のパターン。当初は、中国語で書いて翻訳、という話もあったのだそうですが、何しろ日本進出前で大忙しの時期。中国語で取材して日本語で書く人がほしい、となり、巡り巡ってわたしのところに原稿依頼がきました。

こうした「人探し」「版元探し」というのは、ひとえに広いネットワークが必要です。人脈なんてものは、一朝一夕にできるものではありません。やっぱり、鈴木さんたちが長年、台湾に足を運んできた賜物だと思います。

台湾に関する書籍の企画は、これまで著者が自分で何度も台湾に足を運んで取材して書かれたものが多く、割合からいうと台湾在住者の書いたものはまだまだ少ないのが現状です。

旅行者として書くものと、暮らしている一人として書くものでは、目線や情報量といった点で違いがあります。どんな本にするかで、書き手がどこにいたほうがいいのかは変わってくる。またこのコロナ禍、日本からはおいそれと渡ってくるわけにもいきません。そうした諸々を加味して、現地で取材して書いてほしい、というお話になった次第。

さて、鈴木さんのコメントにある「食習」とは、神農生活がプロデュースするレストランです。神農生活のなかでも「食」は大きなポジションを占めているテーマのひとつですが、食習では、台湾の人たちが普段食べているものをベースに、メニュー開発がなされています。

冒頭の写真は、食習での打ち合わせに参加した際の1枚。お盆の左上が空いているのは、メインを中央に置いて、参加していた4人がそれぞれにシェアしたことによるものです。

本書では、この神農生活のレストランがどんな場所なのか、どんな考えでつくられているのかをご紹介しています。たっぷりの写真付きなので、そのあたりもお楽しみいただけたらと思います。

勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15