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台湾ひとり研究室:本屋編「新刊告知祭り:スタッフからのコメント編5」

書籍『「神農生活」のある暮らし』発売まで、8日となりました。「え? スタッフってまだいるの?」と思われるやもしれませんが、まだまだいきます、このシリーズ。本書は、それだけかかわる人が多かったのです。

今日コメントをご紹介するのは、台湾デザイン研究院の崔慈芳さんです。崔さんは、「本を出したい」という神農生活さんの意向を受けて、編集ユニットHaochi Booksさんに出版社探しを依頼したその人。つまり、企画が具体的に動き出すには、欠かせない方でした。まずは、コメントから。

——どんな人に読んでほしいですか。
台湾の日常をもっと知りたい、台湾の暮らしに根ざした習慣や知恵が生かされたものづくりやデザインを知りたい、などの方。

——特に注目してほしいポイントや個人的なおすすめを教えてください。

神農生活の惹かれる独特な雰囲気の背景。噛み砕いた表現で丁寧に書かれたので、大変わかりやすく、おすすめ。

崔さんが所属する台湾デザイン研究院(TDRI)は、台湾政府のデザイン施策をとりまとめる行政機関です。日本語で「設計」というとどうしても、建築、しかも設計図をイメージしがちですが、中国語でいう「設計」は、建築はもちろん、グラフィックからプロダクト、はたまはソーシャルを含んだ幅広いデザインをすべて含みます。TDRIが主催する「ゴールデン・ピン・デザイン・アワード」(金點獎)に、毎年、世界各国から多種多彩な作品のエントリーがあるのも、やはりこの「設計」の概念が幅広いことによるもの。これまで何回か授賞式とその展示会に参加させていただきましたが、本当にバリエーション豊かで、視野が広がる思いがします。

本書では、そういった幅広い作品を出し続ける台湾のデザイン業界が、これまでどのような取り組みをしてきたのか、そのうえで神農生活はどのような位置づけにあるのか、TDRI院長にお話を伺っています。インタビューして、改めて台湾デザインのこれからの展開には注目必至だなと感じています。

さて、崔さんのいう「背景」。どんなものづくりもデザインも、その土地の文化に根ざしています。とりわけ、産地取材を通じて、そのことを強く感じさせられました。本書には、そういった空気感を感じていただけるよう、写真をふんだんに取り入れています。

今日の冒頭の写真は、産地取材で伺った新竹の田んぼです。天気がよくて、山に後光が射したような雲が印象的でした。この場所で何ができているのか、どんな方がそこで汗水流しているのかなど、誌面でご確認いただけたらうれしいです。

神農生活がどんな品選びをしているのかに留まらず、台湾のものづくりの現場を感じていただけるといいな、と思っています。

勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15