花嫁の手紙を書いて思ったこと。

私は今度結婚式を挙げる。
必要がないと思っていたのだけれど、相手のご両親が切望し、また、そんな思い出があっても良いかなという軽い気持ちであった。

結婚式はかなりささやかなものだが、
両家集まって食事会にも引き出物が必要だったり、
親戚や遠方の知り合いからのお祝いを頂けば、お祝い返しやお礼状などを作って出す。
本当に忙しい日々を送ることになって、軽い気持ちでやってみようと思った数ヶ月前の自分を少しだけ恨んだ。

日が迫ってきて、さて、あとは花嫁の手紙だけになった。

両親への感謝とエピソード。
ありふれた文章ではあろうけれども、
その家族にしかわからない心の風景があるものだ。

実際、涙を流しながら書いた。
泣き過ぎてまぶたなんかしっかり腫れてしまった。
離れて暮らしても、分かっていること。
許したいけど許せないこと。
お腹に宿って生まれてあらかた育つのに
環境の全てを提供した親
それがどんな形であっても、
子供は納得してそれを受け容れて生きていく。
自分と違う性格の同じ習慣を持った人間同士が暮らす。人間が違えば毎日初めての経験だ。わかり合うのに時間もかかる。
家族って言っても、一個人。
家族だから大変なのだ。

我が家の場合、色々あっても家族でいることを諦めなかった父への感謝は尽きず。
なかなか困った母ではあったがそれ故に、自立と自由の両方の厳しさを教えてくれた結果になった。
子供は学ぶのだ。

よく頑張って育ててくれてありがとう。
もう大丈夫だよ。人生のチームメイトを見つけたよ。
今まで本当にありがとう。

簡単に言うとそういう内容でした。

私は書き終わって思った。
弔辞じゃないか。と。

結婚式は
無事に旅立ちますよ。と。両親の子育て終了式。
子育てに費やした魂のお葬式だ。

出来たらしたほうがいいという意見が多いのは、そういう意味もあるんだろうと思う。
お葬式しない人は少ないもの。

花嫁の白無垢は死に装束だと父から聞いた。
旧姓の自分は死に。その自分にお別れを告げ、嫁ぎ先では、怒って鬼にならないように角を隠す。そんな意味の込められた衣装だと昔母が言っていた。

人生の門出にはお別れがあるもの。
区切りをつけるというのは大切なことなのかもしれない。

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#お別れ

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