螺旋階段をのぼるオレ達は


バンドというものは時期によって移りゆく。
演奏内容やグルーヴ感であるとか、メンバーの意識統一とか、言っちゃえばバンド感。それらは移りゆく。
とても良い時があっても、やがて停滞期が来る。
だけど、しっかり取り組んでいれば何かのキッカケで良い演奏を取り戻すことができる。
そういった一連の流れを、とある人が「バンドというのは螺旋階段を登っているようなもんだ」と言っていてとても納得したことがあった。

そう、バンドは螺旋階段を登っているんだ。

個人的にここのところバンドの演奏がどうもしっくりこないなと思っていた。
ライブをしても、なんだかスッキリしないものが腹の底に残る。
ここが悪い!って、端的なものではなくて、色々が複合的に絡み合ってしっくりこない演奏になっているわけなので、絡み合った糸を解きほぐすのは容易ではないのだ。
しかし、そういう状況を改善するための方法を考えて実践してみるのが結構好きだったりもする。
で、思いついたことをメンバーに話して試してみたら「いいんじゃね?」って感触。
これがキッカケってやつかも知れん。

そんなスタジオを経てからの今年のラストライブは12月9日。夜ハ短シとのツーマンライブだったのでした。
それもいいキッカケだったな。
夜ハ短シとはコロナ前の夏至の日にツーマンをして、その後ちょくちょくタイバンすることはあったけど、
こうして腰を据えてどっぷりとやりあう機会はなかなかないからとても貴重な日だったのだ。
彼らの演奏と歌がとても有機的でふくよかで、三人でバンドの純度を高めていってるんだろうなというのが伝わった。
すごくイイなあとしみじみしつつ、マネできるとこはマネしちゃおうと思ったのでした。

せっかく得たキッカケを煮詰めて来年に生かそう。
そう思えた夜でした。

そういえば、この日の会場BGMはずっとミッシェルガンエレファントがかかっていた。
とても自然に鳴っていた。
あまりにも自然に体に入ってきたことが嬉しい。
人は死んでも音楽は残るんだなあと思えて勇気をもらったような気持ち。
そうだそうだ。
オレ達もちゃんと残していかないといけない。
カタチとして残していかないといけない。

キッカケと勇気をもらった夜だったのでした。
どうもありがとう。

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