中国で特許を取っても意味がない?という誤解

模倣対策のためには中国で特許を取らなければならない、ということは周知されてきた.

その一方で、中国で特許を取っても意味がない、という考えている人が圧倒的に多い.

この結果、特許が必要なのはわかっているけど、「意味がない」から特許は取らないという行動に至る.

言いたいことはわかるが、この考えを持つ人は、特許権が「私権」であることを理解していない.

特許権は国から与えられた権利ではあるけど、国が率先して権利を守ってくれることはない.

権利者がアクションを起こさなければ無きに等しいのが特許権であり、アクションを起こすためのツールが特許権である.

その辺りを誤解して、特許権を持っていれば誰かが守ってくれると考えてしまうと、「意味がない」特許権というものが生まれてしまう.

確かに模倣行為に対して国家が介入することがあるが、それは権利があるからであって、権利すらなければ国家が動くことはない.

でも模倣対策は国がしてくれると考えてしまうのも日本にいるとわかる気がする.

著作権侵害を理由に国家権力が発動されるメディアに接していると模倣行為を国家主導で規制してくれるような錯覚に陥る.

文化庁が率先して著作権侵害について行政判断しているので、あたかも行政が積極的に介入しているような錯覚に陥る.

私権に行政が介入するということが例外中の例外なのであり、その例外をあてにしてはいけないのである.

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