著作権の権利範囲はどこをみれば良いのか

特許脳に支配されている弁理士からみると著作権というのは曖昧模糊として気味が悪い.

著作権の侵害について問われても「著作権」の範囲がそもそも曖昧としている.

特許権の侵害について問われた場合、特許請求の範囲を確認すれば権利の範囲が分かるのに対して、著作権の範囲は一体どこを見ればいいのだろうか.

特許に限らず意匠も商標も権利の範囲を定める規範があるのに著作物にはそれがない.

もっとも著作権の侵害について問われた場合、まず著作物を見るのだが、著作物は創作的に表現したものに過ぎず、そこに権利範囲という概念はない.

著作権者は著作物を複製等する権利を専有するという法規定があるから、特許の権利一体の原則のように著作物全体が権利範囲とも捉えられるが然にあらず.

裁判例を見てみると、創作的部分、本質的部分という言葉が登場するように、著作物全体ではなく保護範囲は著作物の一部であるような書きっぷりであるから曖昧に拍車がかかる.

他人の著作物の一部を複製したコンテンツの侵害判断をする場合に、その部分が創作的部分なのか本質的部分なのかという評価を強いられるのだけど、そんな主観的後出し的判断でいいのだろうか.

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