6月4週目

変わりやすい空をしている、と窓の外を見上げていっぷくしています。



今週もいっぷくしています。




白ワインを呑んでいます。


缶ビールは晴れの日、布団でも干しながら呑みたかった。


冷蔵庫にて冷えている缶ビールは、今週は待機。


冷凍した蒸し鶏をあたためなおしてつまみにしています。


晴れていれば、と右斜め上の分厚いねずみ色を見つめながらのいっぷくとなりました。




私の実家がある金沢の空は東京と違ってもっと変わりやすい空をしていたことを思い出します。



地球の回転や大気の流れを感じられるほど変わりやすい。


弁当忘れても傘忘れるな、という言葉が前田利家と同じかそれ以上に長生きしている土地です。


空に蓋をしたような曇天をこちらで見上げたとき、何となく毛穴のどこかで金沢の空を見ている気がします。


高校生の毎朝の天気予報を見るとき、石川の予報は必ず見ていませんでした。


いつも太平洋側が晴れていることを羨んでいた。




石川の天気の悪さは基本的に中央アルプスと日本海のせいだから、中央アルプスの山を全部削るか日本海を埋め立ててしまえばこっちも天気が良くなりますね。



と、高校の頃の地学の先生が授業で言っていたことをいまだに覚えています。


まろやかな、いつも白衣の年老いた先生がにこにこしながら言っていた。


箸でつまめるくらいの恐怖を覚えたと同時に、やはり空は晴れるにこしたことはないとも思いました。


その後、大学受験を経て晴れている東京へ移り住めばストレスを感じるほどの乾燥を初めて知ります。



幸福よりも不幸の方がはっきりと認識出来る。




などと思い返しながらいっぷくをしていました。


天気は変わりやすい。


雨宿りが必須の昨今、何となく曇天を見るのは自然なのかもしれない。



雨宿りに良い相手になれるよう勤めることも自然なことだと思いたいものです。




今週もいっぷくしました。


来週もいっぷくします。


皆さまも、良きいっぷくのあらんことを祈りつつ。

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