知識の潜水士になりたい

 広く浅い知識が持ち味?ウリ?だ。
 政治、経済、釣り、舞踏、カメラ、料理、車、ネコ、家庭菜園、コーヒー、競馬、アルコール、芝居、自転車、テニス、バイク、気象、器…。今どきのとか、はやりの、とかじゃなければ、たぶんどんなことも多少の知識を持ち合わせている気がする。
 たとえば、絵を描くことについて。中学か高校で一度か二度、油絵を描いたことがある。なぜ描くことになったのか、どんな絵を描いたのか、完成したのか、その記憶はない。でも描いたので、相手が話し始めたら、たぶん的外れではない質問や相づちができるはず。そうでなくても、展覧会は子どもの頃からよく行っていたし、前職は新聞の展覧会紹介コーナー担当だったし、なにかしら自分から話すこともできる。
 ただ、子どもの頃からあまりテレビを見てきていないので、ドリフターズとか、ひょうきん族とか、ジャニーズとか、日本のロックバンドとか、そういうのはわからないかも。でも、映画とか舞台とかと絡めれば、それもなんとかなりそう。

 別に広く浅い知識を持ちたい、と思っていたわけではない。というか、今を含め、狭く深い、専門的な知識へのあこがれが強い。深く深く、情熱を持ってひとつのことを追究する。かっこいいなぁ。
 さかなクンや平坂寛さんみたいに仕事にまでならなくても、子どもの頃から電車が好きで今も詳しい人とか、逆に大人になってDIYを始めてモバイルハウス作っちゃった人とか、仕事で経理をすることになって税理士じゃないけど税務・節約なんでもこいの人とか。
 いい学校卒業していい会社で働く人よりも、中卒で大工やってるとか造園やってるとかの方がすごいなーと思う。前者がダメとは思わない、前者にもなれない私だもの。ただ、10代で「この道を行く」と決めた、その覚悟を含めてかっこいいなぁと思うのだ。

 仕事だったら塗装工か整備士がいいな。左官もいいな。
 趣味だったら、やっぱり釣り。気象、海洋、道具、釣りに関するすべてを知る人になりたい。高橋哲也さんみたいな。高橋哲也さんは釣りが仕事だけど、きっと引退しても釣りも、釣りに関する知識を習得することもやめないと思う。想像だけど。
 ひとつことを追究する人にあって、私にはないものがある気がする。大切な”なにか”が欠けている意識が常にある。
 平坂さんや高橋さんほどになれなくとも、私自身が
「お、私、ひとつのことに夢中になってる!」
と思うくらいにはなりたいし、なれるかもしれない。
 知識の海を深く深く潜っていきたい。



ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす