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『ハランクルク』 設定資料集


『ハランクルク』 設定資料集
 この記事では、わかっている範囲で『ハランクルク』世界の設定を紹介します。
 本分はすべて無料で読めますが、新しい情報が得られ次第、記事は更新されますので、課金しておくと更新情報のお知らせがいくと思われます。
※課金読者向けのおまけは用意するかも。
※画像提供:asteriskさん

※げんざい、好評連載中の痛快活劇メカアクション小説『ハランクルク』についてはこちらのガイドページで紹介していますよ!

Ha Land Cruik
※英字表記は湯浅誠さんの発案によります

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【ハランクルク】
 こちらの世界ふうに言うなら多脚型汎用ビークルという感じの乗り物。
 この世界では乗り物はすべてハランクルク(ごく特殊な例外あり、の予定)。自動車などの車輪で動く乗り物は存在していないのですが、それは世界の成り立ちとけっこう密接な関係がある……ということにしています(詳しくはまたいずれ)。
 ハランクルクは軍用(というより戦闘用)と一般用でカイラーナとスゥサに分かれています。
 現在わかっているハランクルクは次の通り。
※諸元の単位に関しては「カラカナン世界の度量衡」を参照のこと

●ヌンボッツ(カイラーナ)2腕2脚
全高:2カイ
重量:5000ムグルク
出力:100000ボセン
 ナミカゼの乗機。
 帝国軍の旧主力カイラーナ。ただしナミカゼの乗機は大半の装甲を取り払うなど改造されていて、一見スゥサに見える。もともと高出力のカイラーナを軽量化してあるので、常軌を逸した機動力がある。通常は非武装。「機銃くらいは載せたほうが」と言われるが、ナミカゼはスルー。
 標準装備の巨大な盾は、スゥサ状態の時には荷台として偽装している。盾の下面には圧搾空気で打ち出せる硬質の杭が内蔵されていて、これを使って盾を地面に固定したり、その杭を軸に盾を回転扉のように回して使用することもできる。

●バハシル(カイラーナ)2脚2腕
全高:1.9カイ
重量:40000ムグルク
出力:98000ボセン
 帝国軍の現制式カイラーナのひとつで、偵察に向くようカイラーナとしては軽装甲で走行性能が高い。
 辺境領脱出にケイミレライが乗ってきた。

●ウーゾ・ガルス(カイラーナ)2脚2腕
全高:2.1カイ
重量:62000ムグルク
出力:110000ボセン
 帝国軍制式カイラーナ。ガンの乗機。
 最新の主力機で、様々な装備を使える多用途機。ガンは両手に手持ち式の連発砲(手持ち砲、またはハンドキヤノン)を装備させている。

●テグ(スゥサ)2脚2腕
全高:1.1カイ
重量:3500ムグルク
出力:6000ボセン
 中古の普通のスゥサで、マッズイ、ムムットがそれぞれ操縦(2機登場する)。
 ハランクルク自体に武装はなく、マッズイとムムットがそれぞれ機関銃を装備している。普通の盗賊稼業にはそれで充分。
 ピックアップトラック的なスゥサで、よく見かける機種のひとつ。

●コワー(スゥサ)4脚2腕
全高:1.5カイ
重量:5000ムグルク
出力:5900ボセン
 中古の中型スゥサで、ミトケーが操縦。
 2トントラックといったサイズのスゥサで、荷台に軍用4カタム砲を積んでいる。が、連射を可能にするための装填要員がいないため1発ずつしか撃てない(再装填のためにはミトケーが操縦を中断して砲のマウント部までいかなければならない)。
 砲は機体に対して直角に荷台に積んでいるため、照準もいい加減で、砲の威力の割に威嚇程度の役にしか立たない(なので普段は榴弾を装填している)。
 本来はハランクルクが手持ちでも使える砲。

●エイグ(スゥサ)2脚2腕
全高:1.2カイ
重量:3500ムグルク
出力:7000ボセン
 テグよりは踏破力があると言われるスゥサで、ランドクルーザー的なポジションか。
 基本価格はもちろん、力素管消費もテグより大きいため、比較的裕福な層、または業務用で多く使われている。
 今回本編には登場せず。

●エイグ改(スゥサ)2脚2腕
全高:1.2カイ
重量:3800ムグルク
出力:8000ボセン
 通常のエイグを高出力に改装したスゥサ。総合性能(とくに戦闘力)ではカイラーナにはるか及ばないものの、機動力では勝るため、今回のような追撃戦や破壊工作でよく用いられる。
 独自の生産ラインをもたない教団では、民間用であるスゥサを改装した「戦闘用スゥサ」を多く用いている。
 ガン配下のハランクルク乗りたちが使う。
 ヨウディの機体は、長砲身の3カタム口径砲を装備している。単発砲にしては連射が早く、スゥサ相手はもちろん、カイラーナ相手でも狙いどころで撃ち抜くことができる威力(徹甲弾の場合)がある。ただし、〈盾〉には無力。
 またホギが操縦する1機は荷台に迫撃砲を装備、砲手としてナルバウが搭乗する。

●カビス(2脚、1腕)
全高:0.3カイ
重量:9ムグルク
出力:200ボセン
 小型のハランクルク。
 オートバイに相当する(きほん)一人乗りで、街乗りやちょっとした用足しに使われる。
 走行用の2脚のほかに、ごく小型の1腕をもつ。

●ハードゥ(8脚、2腕)
全高:1.2カイ
重量:10000ムグルク
出力:20000ボセン
 「ハードゥ」はカラカナンの言葉で文字通り象の意。〈巨象〉とも通称される。
 一般サイズのスゥサを20機運搬できる、特大のスゥサ。
 前後に長い機体で、全長は7.3カイに及ぶ。

●クンクー(2脚、2腕)
全高:1.1カイ
重量:4500ムグルク
出力:6100ボセン
 普及している乗用スゥサ。
 最初に生産されてから50年ほど経っていて、現在は生産終了しているが、現役で利用され続けている。
 作中では、スモージ、エッシベッシなどが乗っている。いずれも廃棄された中古機を再生したもの。

●ジェベイグ(2脚、2腕)
全高:1.5カイ
重量:5600ムグルク
出力:6000ボセン
 メードの町で警備隊が採用していた。
 機首が大きく張り出した独特のデザインが「威圧的だ」と、警備隊長ボドゴーダに気に入られての採用で、どこの町でも治安部隊が使用している、というわけではない。
 メード警備隊機は右腕に固定式の機関銃を装備している。


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【銃器 ハランクルク用】
○バミン4-3 4カタム砲
 (直径)4カタム砲弾を撃ち出す砲。この3型は、単発式で、ハランクルクの手持ち砲だが、設置用追加オプションをつけることで、人力での砲弾装填、発射が可能になる。
 爆裂弾と徹甲弾を撃ち分け可能。
 『帝国の盾と辺境領の姫』では、ムムットのコワーがオプション付きで荷台に設置(後にナミカゼが引き継ぐ)、またヨウディのエイグ改も手持ち状態で装備していた。

○バミン4-4 4カタム砲
 4型は砲身を短くして、手持ち砲としての取り回しを良くしたタイプ。3発入の弾倉(薬室内に+1発の、最大4連発)が標準装備。
 その変更で、設置装備は使用できなくなっている。
 いったん砲弾を撃ち尽くすと、弾倉交換などの機能はないため、1発ずつこめなおす必要がある。
 『帝国の盾と辺境領の姫』では、ガンのウーゾ・ガルスが2門装備していた。

○ランブワ21 機関銃
 帝国で広く普及している大型機関銃で、第3神聖紀2032年に生産が開始された。
 設置式または、ハランクルクに搭載して使用される。
 0.8カタム機銃弾を使用し、毎分500発の発射速度がある。
 使用される弾倉はいくつかあるが、ハランクルク搭載用ではベルト給弾式の600発弾倉が一般的。

【銃器 人間用】
○クラン機関銃
 0.1カタム弾を使用する小型機関銃で、帝国内で普及している(もっとも民間人の多くは単発式の小銃を使用しているので、使用者は傭兵や盗賊など荒事に馴染んだ者達に限られる)。
 発射速度は毎分400発、装弾数は40発。
 有効射程は10カイ。ただし、作中ではマッズイは銃身を切り詰めた改造品を使っていたので、射程はさらに短くなっているものと思われる。


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【カラカナン世界の言葉】
 この世界はかつてカラカナンと呼ばれていました。
 が、その名前を覚えている人はもうほとんどいません。
 とはいえ、現実の世界と区別するのには名前があった方が便利なので、この設定紹介ではカラカナン世界という言葉を使います。
 で、そのカラカナン世界で使われている言葉は、とくに固有名詞を中心に独自のものが多いです。せっかくの異世界ですから、単語のすべてが現実の引き写しじゃおもしろくないでしょ? ということなんですが、軍人の階級までオリジナルで作ったのは「大丈夫かな、読者ついてきてる……?」ってちょっと不安なところです。
 ちなみに、独自の言葉、とは言いましたが、基本の語彙はこちら「架空世界カナン」の事典から持ってきています。カイラーナやケイミレライなんかもカナン語なんですよ。興味ある人は事典のエクセルファイルをダウンしてきて開いてみると「あー、この名前はこういう意味だったのカー」ってわかって面白いかもしれません。


【帝国軍人と階級】
 現在ざっと決まっている軍隊の階級はこんな具合です。
 帝国軍の詳細については、この先のおはなしで徐々にあきらかになっていく……はずです。
「兵務」
 いわゆる兵卒。通常は指揮官の元で活動するため、兵務間での階級差はないが、臨時に「先任兵務」が任命されることはある。
「卒吏」
 軍曹に当たる階級。準士官として兵務の指揮を担当する。
 「大卒吏」「小卒吏」の2階級がある。
「戦吏」
 尉官にあたる階級。
 「大戦吏」「中戦吏」「小戦吏」の3階級に分かれる。
「武候」
 佐官にあたる階級で「大武候」「中武候」「小武候」の3階級に分かれる。
 大武候は最大で1万ほどの兵を指揮する階級。


【主な登場人物】
○ナミカゼ(♂ 51歳)
「帝国がなんだ、諸侯がなんだ。誰が支配者になったって、民が死ぬよりはずっといい」
 もと帝国軍ハランクルク乗り。主力部隊、通称〈帝国の盾〉に所属していた(〈盾〉自体はいくつもある)。
 帝国軍大武候として一軍を指揮していた。
 物語当初は、軍を辞して運送業を営んでいる。

○ケイミレライ(♀ 15歳)
「父の国を取り戻そうとするのがなぜいけないことなのです!」
「ちょっと……胸がきついですが、入りました。平気です」
 諸侯の姫。名前は「空の光」の意。ナミカゼに言わせると「貴族らしいご大層な名前だ」となる。
 教団の勢力に領国の支配を奪われ、帝国に救援を求めるべくひとり故郷を脱してきた。
 いじっぱり、負けず嫌い。まじめな性格。

○マッズイ、ミトケー、ムムット(♂ 20、19、18)
 辺境の野盗。ナミカゼの住む地方で野盗をしていた。

○ガン(♂ 39)
「こんな仕事は私向きではないのだ。ベイ閣下のご下命でなければ、誰がこんな辺境にやってくるものか。まあ、あの姫君は役得といっていいかもしれないが、な」
 辺境領を乗っ取ろうとする、司祭の配下で、実戦指揮を任されているが、自称都会派で、泥まみれの辺境での仕事を嫌っている。

○ヨウディ(♀ 20)
「この見た目を手に入れたことで、私は自分自身を前に進めることが出来たのです」
 ガンの側付きの女で、美女。
 自らハランクルクを操って戦闘もこなす一方、ガンの個人的な欲望の解消もその役割。上意下達は教団の鉄則であり、部下の信徒を個人的な欲望に教する事はほんらい信徒には許されない行為だが「望まれて逆らうことは教義に反する」ため、多くの場面で下位信徒が奴隷のように扱われている。

○ガンの配下たち(♂♀ 20~30代)
 ガンの配下のハランクルク乗りたち。6人。
 ケイミレライ姫の追撃に選抜された、戦闘専門のさむらいたちで、もちろん教団信徒。教団から命じられた戦闘を淡々と行う機械のような集団。
 一方で、現場をさげすむガンや、その愛玩物であるヨウディを嫌ってもいる。
 実戦経験を重ねているため、全員どこかしら「換装」している(しかも機械換装)。 オタギ♂、ケナンバム♂、スーベク♀、チミグット♂、ナルバウ♂、ホギ♀。
 ナルバウとホギのみは1機のハランクルクに同乗。ホギが操縦を、ナルバウが機銃と部隊唯一の迫撃砲を担当する。
 乗機はヨウディと同じ。武装は主として軍用機銃。

○オタギ(♂ 40代前半)
「俺」
 ガン配下のハランクルク隊のリーダー。
 左腕を機械換装している。強化された機械腕は、ちょっとした起重機並のちからがある。
 ガンのような殺人狂ではないが、障害を暴力で排除することに禁忌はないので、敵対者、妨害者と見るとすぐ殺してしまう。
 今回のような追跡、逮捕を目的とした任務には実は不向きな性格で、隊自体もゲリラ戦が得意……だと思う。
○スーベク(♀ 20代半ば)
「私」
 身長56カタム、十分女性とはわかるものの、メリハリにかける体型。胸は大きめ(Dカップくらい)。髪は刈り込んだベリーショート。
○ホギ(♀ 20代半ば)
「あたし」
 短躯で筋肉質。スーベクとともに化粧っけはなし。
 ごわごわの髪がたてがみのように広がっている。
○ケナンバム(♂ 20代後半)
「俺」
 長身、(本文には出てないけど)顔が長い。常に冷静であろうとしているが、それはもともとが直情的だから。


○ゼキス(♂ 41歳)
「狂信者共に帝国を好きにさせるわけにはいかん」
 帝国辺境領を統治する諸侯で、ケイミレライの父親(ゼキス25歳のときの子供)。
 所領をよく統治していたが、教国復興をはかる教団に入り込まれ、幽閉、支配権を奪われてしまう。
 20年前の戦いの盟友ナミカゼを頼って、帝国に救援を求めるよう娘を送り出す。

○ベイ(♂ 48)
「神の教えに従順な美しい世界! 従わぬ者に神の怒りを!」
 教団司祭。教主の意を受け、辺境領を教国の支配下に置くべく、諸侯の家臣として潜り込んでいた。政務に携わりながら、家臣を次々教団員に入れ替え、ついにゼキス候を幽閉することに成功した。

○シモネッタ(♀ 21歳)
「ナミカゼさんって、いっつもそれ、おいしくなさそうに飲んでるよね?」
 ナミカゼが通う酒場の給仕。
 ぼちぼちの美人だが、片腕が簡易機械換装でクローアームになっている。
 さばさばした性格で、ちょっと乱暴。セクハラ客にはクローアームでの折檻が待っている。これは酒場の名物。

○ボトス(♂)
 ナミカゼの部下。

○ザサット(♂)
 ナミカゼの部下。

○マウラナ(♀)
 ナミカゼの部下。

○ブルラン(♂)
 ナミカゼの部下。

○カヒッサ(♀)
 ナミカゼの部下。
 現在はキャラバンの団長として運び屋生活をしている。

○ノキモット(♂)
 ナミカゼの部下。
 20年前の戦いで死亡。

○スモージ(♂ 14歳)
「こいつ(小銃)かい? 法律なんかしったことか。俺には必要なんだから」
「姉貴ぶるなよ、歳だってそんな変わらないと思うんだけどな」
 歳よりちょっと幼く見える14歳の少年。
 メードの街では下層に属していて、いちはやくリガ教に帰依した売春婦の姉に続いて信者になった。
 神のもとでの万民の幸福と平等を信じて、帝国の支配に反逆する。
 具体的には、スドノウレなどすでに帝国と事を構えた地域へ戦力を供給するためのハランクルクを始めとした物資の強奪に参加している。
 抑圧や支配に対する反発は強いが、本来は他人にやさしい性質で、とくに弱者に対してはやさしい。
 強い立場にものをいわせて、ケイミレライをいいようにしようとする宿屋主人に怒る。
 身体のサイズに似合わない自動小銃を背負っている(自動小銃の所持は違法)。
 スモージの仲間。
・レーフ「健気系美少女、スモージに惚れているが、リーダーに寄せられた気持ちにはまったく気づいていない」
・エッシベッシ「リーダー。虚勢を張るタイプ。先頭に立って戦うが、真っ先に怪我する。色男」
・カトシオ「臆病な軽薄男。いつも冗談を口にするが、基本的に揶揄なのであまりおもしろくない」
・エーミット「大男。チームの潤滑油」
・ミミジオ「直情な年少さん。リーダーに心酔している」
・ゴシ「流されやすい性格。冒頭で自爆死」
・ソウブ「副リーダー、カトシオの代わりに自爆死」

◯トルゼット(♀ 44歳)
「あたしが女だからって、修理の腕になにかあるって思ってるのかい?」
 修理工場の工場長。腕の良い修理工。
 「女だてらに」と言われることが多くかなり辟易している。女を下風に置くリガ教信者になった工員たちに出て行かれ、いっそう怒り心頭。
 小柄でトランジスタグラマー。

◯ハッスマー(♀ 14歳)
「………………」
 トルゼットの工場の唯一残った工員。トルゼットに心酔していて、機械好き。
 すごい無口で、対人恐怖症のけがある。

◯モッダモーダ(♂ 61歳)
「儂の街だ。儂が好きにしてなにが悪い。街の連中など儂の工場のお陰で生きていられる家畜みたいなもんだろうが」
 メードの市長。
 ハランクルクの工場の経営者でもある。出荷するハランクルクをリガ教徒に襲撃させることで、保険金と奪ったハランクルクの横流しによって不正な利益を得ている。

◯ドギック(♂ 45歳)
「わたくしは市長閣下のしもべでございます。
 モッダモーダの側近。
 自分の地位を守ることに汲々としている。

◯コムギィ(♂ 36歳)
「おまえたち餓鬼どもは、俺の言うとおりにしていればいいんだよ」
 メードのリガ教徒の束ね役。スドノウレなどで進んでいる反帝国活動への支援のための物資(主にハランクルク)獲得を、市長と結託しておこなっている。
 体育会系の成れの果てみたいな男。

◯ボドゴーダ(♂ 40歳)
「この町で俺様に逆らうとどうなるか、教えてやる」
 メード市警備隊の隊長。モッダモーダの縁者であることで出世した男で、強いものには弱く、弱いものにはとことん強い。
 モッダモーダにへつらっているが、その地位に取って代わるチャンスを狙っている。
 警備隊と言っているが、女将の権力を傘にきたやくざという感じの一団。

◯キラレ(♂ 40歳)
「戦いというのはこうでなくてはな!」
 モッダモーダに雇われた傭兵隊長。
 金と戦闘だけが求めるもので、それ以外のことに興味はない。
 彼の5人の配下も基本的に同じ人種。
 両腕を機械換装している。
・バブロ(♂)
・ゴモース(♂)
・ミオウ(♂)
・バンダナック(♂)
・ナイオウ(♂)

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【ハランクルクの動力について】
○パル力素と駆動鋼
 ハランクルクはパル力素と呼ばれる力を受けて反応する駆動鋼によって動いています。
 パル力素は、特定の物質の組み合わせから発生し(化学電池のようなもの)、通常は力素管という大小の管から供給されます。
 この力素を受けた駆動鋼は、収縮、発熱などさまざまな変化をみせ、その力によってハランクルクは稼働します。
 その動作する状態は生物の筋肉のそれに近いといえるでしょう。
 燃料を使った内燃機関などで動作しているわけではないので、ハランクルクそれ自体は、爆発や炎上したりはしません。(火薬を始め、可燃物を積んでいれば別)
○パル力素技術
 パル力素と駆動鋼の組み合わせはまた、ハランクルクの動力ばかりでなく、文明の様々な場面で活用されています。
 駆動鋼が反応する際の初熱と発光を利用した照明装置や、極微サイズに加工された駆動鋼に力素を流すことによって、ICのような駆動鋼集積回路も存在しています。この集積回路の存在で、ハランクルクは複雑な動作を簡単な入力装置によって可能にし、ある程度なら自動操縦さえも可能になっています(複雑な自己判断ができる、というものではない)。
 これらの技術の基礎は、第2新世紀以前のもので、第3神聖紀に入ってからは技術革新と呼べるようなものは起こっていません。帝国による統一は、高等技術開発の制限ももたらしたからです。
 パル力素技術の普及によって、内燃機関や電力の利用は、第3神聖紀においてはまったく普及しませんでした。
 電波の利用もこれまでされておらず(第2新世紀以前には存在したらしい)、通信機はここ20年内の(再)発明。当然、まだあまり普及していない。

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【ハランクルクあれこれ】
○降着姿勢
 ハランクルクが降着姿勢を取るのは、姿勢を低くすることで、乗員の乗り降りや、荷物の上げ下ろしに便利だからというだけでなく、その歩行が動歩行を原理にしているため。
 自発的にバランスを崩すことで効率よく歩行移動を可能にする動歩行を採用しているハランクルクは、その原理から動力を失うと自力で直立することが出来ない(ないしたいへんむずかしい)。
 そこで、降着姿勢を取ることで、動力を停止させた状態での転倒を防いでいる。

○カイラーナとスゥサ
 カイラーナとスゥサの違いは軍用と民生用の違いということに集約できる。
 具体的な特徴としては、カイラーナはスゥサに比べて分厚い装甲をまとっている場合がほとんどで、その装甲の重さに対応するためにスゥサの10倍~100倍の出力を出せるようになっている。その分高価であるし、力素の消費も莫大。
 逆にそのために、カイラーナは機体の大きさにあまりバリエーションがない。
 スゥサは一人乗りのごく小型のものから、タンカーと呼ばれるような巨大なものまでさまざまな大きさのものが存在している。


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【カラカナン世界そのほかの設定】
●「パル力素」(ぱるりきそ)
 カラカナン世界では、電気が動力源として用いられておらず、〈パル力素〉というエネルギーに反応する〈パル駆動鋼〉が主要な動力として用いられている。
 〈パル力素〉に反応して、大きさや形状、硬度を変える〈パル駆動鋼〉は、ハランクルクの駆動機構として普及している。(電気がないため、コイルによる回転式モーターは存在していない)
 〈パル力素〉は通常、リサイクル可能な〈パル力素管〉によって供給される。
 世界のほとんどの動力はこの〈パル力素管〉と〈パル駆動鋼〉の組み合わせによってまかなわれている。
 ハランクルクの動力には〈パル駆動板〉として。
 明かりをとる場合、あるいは発熱を利用する場合には〈パル駆動線〉として。
 そして極微の〈パル駆動素子〉の集合体によって、自動操縦装置や自動平衡調整装置などの、ある種の人工頭脳のような機器も作られている。
 電気が使われていないために、電磁気学などへの理解もなく、それがハランクルクの発達の割にレーザーなどの光学、ビーム兵器が存在せず、火薬式の火器しかない理由のひとつ。
 また、車輪は発明されなかったわけではないらしいのだが、装輪式の乗機はまったく使われていない。小型から超大型まで、すべての乗り物が歩行式のハランクルクになっている。こうなった経緯には、この世界の成り立ちとも関係しているとか。
(細かくいえば、回転体を利用する文化――滑車とか――がないわけではないが、車輪としては流行らなかったということ)

●貨幣 パヌ
 貨幣の単位はパヌ。
 額によって呼称が変わることはなく、すべてパヌ。よって1パヌの価値は5円(2015年換算)程度か。

●クセド
 ナミカゼが暮らす街。ナミカゼはこの周辺の農村を回って運送業をしている。
 人口は2万人ほど。一応帝国に属する街だが、下級の代官(と配下の事務官たち)がいるだけで、その支配はゆるやか。
 より中央に近い大都市間をつなぐハブ都市として機能している。

●ボスサナス
 クセドのある地方。

●スドノウレ
 諸侯によって治められている帝国辺境領。
 巨大な岩山〈スドノウレ〉(地名の語源)を中心に広がった平地がその領域で。首都スディグアは人口40万人ほど。
 領主はゼキス。

●ボウヒド
 都市。帝国軍の駐屯地が存在する。

●メード
 都市。スゥサの工場で栄えている。


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【カラカナン世界の度量衡】
長さ
ダーリ:約600メートル
カイ:約3メートル
ユウ:約30センチ
カタム:約3センチ

重さ
ムグルク:約11キログラム
カラト:約110グラム

時間
ヤナー:約2時間
クリク:約6分
ジェク:1秒

そのほか
ボセン:力の単位(馬力にあたる)

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――ちょっと雑多になりましたが、これが『ハランクルク 帝国の盾と辺境領の姫』終了時点で決まっている設定です。
 他の部分はまだぼんやりとしか決まっていないところも多いですし、この設定自体「あ、矛盾発見!」となったときには訂正されることもありますので、ゆるーい目でみてくださいませ。

──「ハランクルク企画」では、「俺キャラ」「俺ハランクルク」などの投稿をお待ちしています。
 投稿は
info_alpha@imaginary-fleet.sakura.ne.jp (スパム防止の為@が全角になってます)
 か、ツイッター、ピクシブなども利用してください。
(というか、そのほうがありがたいかも)
 その際は「#ハランクルク」タグを使ってもらえると、こちらから見つけられるので助かります。

■■おまけ■■

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