息を止める【短編小説】
まだ眠り続けている君にそっと触れる。台風一過だ。大嫌いな快晴だよ。
カーテンから洩れ入る強く真っ直ぐな光。このままでは部屋にいてもきっと日焼けをしてしまう。そう思うほどよく晴れた空だ。
私は午前の講義を終えて、何もない午後を迎えた。大学からアパートへ戻る途中、懐いている野良猫が私にすり寄ってきてそのまま一緒に帰宅してしまった。
私は昼食を取る気にならなかったが、野良猫はお腹を空かせていたらしく私のことをじっと見つめてきた。いつものことだ。
しかしキャットフードを常備してい