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なかなか行けないけど一度は行きたい台湾ローカル<台南・善化/六甲編>

皆さん、台湾で最も新鮮な牛肉を食べられるエリアをご存知でしょうか?台南駅から電車で15分くらいと、前回の楠西区よりは全然行きやすい「善化」というまちへ。

田中の住んでいる高雄からも電車で1時間くらい

ここは台南名物の牛肉スープの発祥の地。
その理由は、このまちには牛の加工場があるからです。
元々台湾は農民が多いことあり、牛肉を食べる文化がありませんでした。
食べるようになったのは日本統治時代、日本人の食文化が持ち込まれるようになってからです。さて牛肉スープに使われる牛肉は冷凍をしない「溫體牛」を使うため、新鮮さがとても重要です。加工場から近ければ近いほど朝シメたての牛肉が食べることができます。

善化駅でも牛がお出迎え

台湾最大規模であり最も有名な「善化牛墟」という牛の交易が行われる市場へ。
1870年頃から取引がスタートしたこの市場。現在は牛墟での取引は行われていないようですが、現在は毎月2、5、8、12、15、18、22、25、28の9日間のみ開かれる台南最大の巨大なマーケット。
牛肉だけではなく農作物や衣類、食品、農業用の工具や日用品まで迷路のようにカオスな市が開かれています。この市場では老舗の有名な牛肉スープ屋が何軒かあり、朝早いのにもう行列が。

続いて向かったのが善化の上部にあるまち六甲は焼き物が有名なまち。
ここ「居廣陶」は100年続く窯場です。

5代目店主

台湾の伝統的な建物やお寺で見かけるレンガや瓦などの作品。100年もの間変わらず使われている「蛇窯」と呼ばれる窯は現代に残る歴史遺跡。

窯場では陶芸教室や、窯焼きピザ、コースターづくりのワークショップなど5代目の店主は色々と現代の需要に合った窯場作りを考えています。

陶器コースターのワークショップ
蛇窯の中

「深緣及水善糖文化園區」へランチを食べに行きます。「善化糖廠(善糖)」は、日本統治時代に「台南製糖」として創業した製糖工場。この場所がリノベーションされ人気の観光スポットになっています。

「及水火鍋」では「淨水鍋」という初めて聞いた鍋を注文。
台湾では唯一ここでしか食べられない鍋「淨水鍋」は3日浄化した真水でいただくという一周まわってむしろ新しい鍋料理。かつて台湾ではどの家庭でも飲み水は3日間寝かせて飲む習慣があったそうで、それを復刻したメニューだそう。鍋もとても美味しかったけれど特にここの麻醬麵が激うまでした。

左が浄水鍋
食材の味がダイレクト
台南の新鮮な海鮮たち
最初蕎麦かと思った

食後は南明時代の文化人の沈光文が名付けた「沈園」という屋外茶館にて、かつて文化人たちがお酒を飲みながら詩歌を楽しんだ「流觴曲水」の体験を。お酒ではなく美味しい台湾茶と、お茶請けにはこのスポットがロケ地となった台湾の人気ドラマに出てくる満月型のパイナップルケーキ。このお茶の体験は台湾ではおそらくここでしかできない貴重なものです。

「台湾の孔子」とも呼ばれる沈光文氏
優雅なひと時


夕方の善化駅

台湾ローカルは掘れば掘るほど面白い。

“掘る”と言っても在来線に乗って、市内から数十分出かけてみるとこれまで知らなかった台湾に出会います。善化も僕自身地名は知っていたり、牛肉スープが有名くらいは知っていましたが、百聞は一見にしかず。
特にあのカオスな「善化牛墟」はもっと時間をかけて巡りたいし、今回は残念ながら時間の関係で行けなかった台湾ビール工場は次回是非とも行ってみたいです。今回行けなかったということは次回に行けるご縁あり。

是非、ローカル線でいつも降りる隣の駅へ、台湾ローカルを旅してみませんか?

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