経営戦略とマーケティング戦略

グルーピング 

マーケティングの基本中の基本といわれる4Pも、4Cも、製造から販売までの過程を4つのグループに分けたものだし、

SWOT分析も、強み・弱み・機会・脅威の4つに分類したものだし、

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)も、金のなる木・花形製品・問題児・負け犬の4つにグルーピングしたものだし、

パレートの法則も、二割と八割の2つに分けたもの。どれもグルーピングである。

セグメンテーションとターゲティングに至っては、顧客を

               グループ分け

して狙いを定めることに他ならない。

セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングは、マーケティングの基本中の基本であり、戦略の中核に位置するのは、充分ご存知の通り。

では、グルーピングできずして、どうして、セグメンテーションできよう

個人客と法人客をグループ分けできず、どうしてターゲティングできよう

グループに分けるということは、切り分けることであり、絞り込むことであり、集中させることである。

グルーピングがマーケティング発想の基礎と述べたのは、そういうコトである。グルーピングを笑うものは、マーケティングに泣く

基礎はシンプル

しかし、知識と経験を積んだプロだけがマーケティングを駆使できるわけではない。
その基礎はシンプル。誰だってできる、簡単なものでなければならない。

現に、マーケティングなぞ知らなくても、社業を発展させている企業はゴマンとある。
彼らは、マーケティングを学んだことが無くても、ニーズを捉え、ウォンツを満たし、アウェイクを発見する。

誰から教わるとも無く4P'sを考慮しつつ、顧客をセグメントし、ターゲットを定め、競合と差別化を図る。

それが、本能的であっても、経験則であっても、要は、社業が発展し、会社が成長し、あなたの給料が増え、労使ともに満足できれば良いだけのことだ。


   個人も、法人も、より良く伸びることができれば、それでいい。

倒産しなければ良い。それには、マーケティングが必要かどうか?ということで、必要なら取り入れれば良いし、必要でなければ取り入れなくても良い。

それには、ポーター教授の5Fといった難しい理論を覚えようとしなくても全然構わない。グルーピングが身に付けば、また一歩、マーケティングを使えるようになる。

それは、戦略も分析も同じ。そう前号で申し上げた次第。

マーケティング戦略の立て方

では、またまたシンプルな話だが、マーケティング戦略を立てるときに、あなたは、何から着手するだろう?

マーケティング戦略とは何ぞや?については何度か触れてきたので省略するが、

          どうやって戦略を立てるか?

については、百花繚乱なのが現実ではないだろうか?それを語る専門家の言うことが各々違う。


SWOT分析→4Pという人もいるし、STP→差別化という人もいる。マーケティング
の神様と呼ばれるコトラー教授は、

   ・segmentation(セグメンテーション)…顧客層を分割すること

   ・targeting(ターゲティング)…標的を定めること

   ・positioning(ポジショニング)…会社や製品の市場位置を決めること

とのマーケティング戦略を説いている。その次に来る戦術は、

 ・差別化(differentiation)…他社とは違う優位性により価値を高めること

 ・マーケティングミックス(marketing-mix)…7P=4P+3P

で、マーケティング戦略・戦術を立てる順序は、

   1 目標(マーケティング・ゴール)を設定

   2 顧客層をセグメントしてターゲットとポジションを決め、

   3 差別化し

   4 マーケティングミックス(7P)を策定

となる。この、教科書通りの正統派マーケティングを否定するつもりはない。

経営戦略とマーケティング戦略

私が提唱するマーケティング戦略は、ちょっと違う。マーケティング戦略は基本的に、経営戦略とリンクしていなければならない。

たとえば“落ち込んでいる主力製品の強化”が経営戦略なら、それがそのままマーケティング課題となる。マーケティングの成功=達成地が目標値となる。

シェアNo.1奪回を目指すとしたら、シェアNo.1の証が必要なことはお分かりになろう。それが目標値だ。

そこで「ナゼ落ち込んでいるのか?」という問題の検証に入る。ここで、

「アーじゃねーか?」「コーじゃねーか?」という話になるのだが、それらの要因が、
               想像=推測なのか?

               事実=現象なのか?

を明確にする必要がある。井戸端会議ならばテキトーにしゃべっていればいいのだが会社の浮沈がかかった戦略会議となれば、そうはいかない。

「事実か?」「想像か?」これもグルーピングである。事実なら、事実である証拠を示し、周囲を説得しなければならない。そこで、リサーチを行う。

以降のステップは省略するが、このようにして経営戦略とマーケティング戦略は連鎖する。

マーケティングは、経営意識をもった一国一城の主が用いる戦略・戦術である。


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