evoked-set/イヴォークド・セット

明治「チョコレート効果」について触れたブログに、

「一箱に、70%と85%と99%の3種類がアソートされてあると良いかも?明治製菓さん」

と書いた翌月「チョコレート効果」の「ミニアソート」が発売された。

消しゴム大の「チョコレート効果」63%・72%・86%・99%の4種類が一箱に一個づつ入っている。

もちろん、明治製菓がアソートの発売を思いついたワケではないハズ。とうの昔からアイテムアップされていたに違いない。

チョコレートは、新製品の参入が難しい。チョコレート効果のように棚を取れる新商品は滅多に出ない。

だいたい、誰も彼も「チョコレートといえば、コレとコレ」と挙げる銘柄が、共通している。

チョコレートよりも、プレミアム・アイス(高級アイスクリーム)を例に挙げれば分りやすい。そこで、あなたに質問。



  Q プレミアムアイスの名前を、挙げられるだけ挙げよ
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       はい、終了。

あなたが挙げた中に、ハーゲンダッツが入っていたと思う。

なぜなら、ハーゲンダッツは(ある調査によると)認知度100%だからである。


つまり(その調査対象においては)知らない人のいないプレミアム・アイスということになる。認知度100%は、驚異の数字。

もう一つ、レディボーデンも含まれていたことだろう。かろうじて、Ayaをあげた人がいたかも知れない。

グリコの和ごころやスイーツインを挙げた人はプレミアムアイス好きと見える。おそらく、少数派に違いない。

つまり、プレミアムアイスと聞けばハーゲンダッツとレディボーデンだけは誰しもが想起する。

他の銘柄は、人によって、想起する人もいれば、しない人もいる。

これを、イヴォークド・セット(evoked-set:想起商品群)という。「プレミアムアイスといえば、コレ!」と、多くの人が挙げる商品である。


誰しもが想起するハーゲンダッツやレディボーデンが、プレミアム・アイスにおけるイヴォークド・セット。

たった二つしかないのだから、両製品のCL(顧客ロイヤリティ)は相当高いと判断できる。

イヴォークド・セットが更に高まり「パソコンといえばMachintosh」というように決め、ブランドに共鳴する状態をブランド・レゾナンス(brand-resonance:ブランド共振)という。

要するに、熱狂的なファンがついている商品といえば分りやすい。ブランド・レゾナンスが強い商品は、当然、顧客ロイヤリティも高い。

逆に、イヴォークド・セットがワラワラ出てくる商品のCLは低い。


敢えて(商品名を挙げれば誹謗になる可能性があるので)商品名は出さないが、ユニークなたとえとして、飽和状態にあるといわれる歯科医師を挙げてみよう。

それこそ、人によって様々な医師名や医院名を挙げることであろう。地域差だってあるかも知れない。

とすれば、歯科医の先生方は、どうやってイヴォークド・セットの中に入るか作戦を練れば良い。

何も全国区である必要はない。A町の歯科医なら、A町の町民の大多数が、

「歯医者へ行くとしたら××医院」

と答えるようにすれば良い。


具体策は差し控えておくが(前回のGOODデザインのように、具体策が重要)、できればイヴォークド・セットの第一位に入るようにしたい。

これは、歯科医に限った例ではないことに、聡明なあなたは気づいていると思う。

さて、あなたの商品は、多くの顧客のイヴォークド・セットに入って
いるだろうか?リサーチしてみると、有意義かも。

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