数字は 未来への道しるべ【フェルミ推定】前編

シカゴにピアノの調律師は何人いる?【フェルミ推定】後編
から続く
https://note.com/tanaka4040/n/n66baf5500b58

グーグル、フェルミ推定、やめるってよ


【前問1】アリは、地球上に、何匹いる?

【前問2】シカゴに、ピアノの調律師は、何人いる?

に対し、グーグル人事トップのラズロ・ボック副社長(※1)は、

『この手のクイズ(※2)を、入社試験に出したところで、意味がなかった』

と、今後は出題しないと表明。

(※1)ベストセラー『ワーク・ルールズ』著者
https://www.amazon.co.jp/dp/B010UV1QTW
・同じ仕事でも100倍の報酬差がついていい
・朝起きて、ワクワクしながら行ける会社って、どんな会社?
・ハーバード大に入るより25倍も難しいと言われるGoogleの採用基準とは?
(※2)この手のクイズ=フェルミ推定、論理パズル、ブレインティーザー他

米国のみならず、日本でも、フェルミ推定を、面接で質問する企業があるそうですが、Googleが、

「クイズの出題は、面接担当者の、自己満足に過ぎない」

「こんな面接で、人物の思考力は、測れない」

「この種のクイズを解き明かす力と、仕事で発揮できる能力に、疑問が生じた」

「フェルミ推定と、思考力には、何の相関もない」

「こんな質問では、何も予測できないことが、データを分析してみて分かった」

と、さんざ(笑)コキおろしたことで、フェルミ推定を出題しなくなった企業が増えてきたとか。

だからといって、

「グーグルがヤメたから、やめるんか?」

「グーグルが死ぬっつーたら、おたくの会社も、死ぬんか?」

なんて(笑)小学生レベルの屁理屈で皮肉らなくても大丈夫♪そもそも、

『アリは、地球上に、1京匹いる』

という推定は、フェルミ推定ではありませんので(ウィリアムズ教授の推定値)

なぜ?シカゴの調律師なのか?大阪の調律師じゃダメなのか?

『シカゴに、ピアノの調律師は、130人いる』

という推定値は、フェルミ教授が出題したフェルミ推定で間違いないにしても、

シカゴという地名が、東京だったら、どうでしょう?

奇問(フェルミ推定)は、成り立つでしょうか?

しかも、面接の短い時間内に、回答しなければならないそうです。

ということは、シカゴの人口を知っていなければ答えられませんが、

シカゴではなく、上海だったら?ムンバイだったら?メキシコシティだったら?

もっと、わかりやすく、地名を絞るならば、シカゴではなく、東京の、

『銀座に、ピアノの調律師は、何人いる?』

という質問に、答えられるでしょうか?面接中の数分間で。

フェルミ推定を出題する面接担当者さえ、答えられないのではありませんか?

たぶん、銀座の人口や世帯数を、即座に答えられるのは、中央区役所の統計係くらいでしょう(笑)


よくよく(クリティカルに)考えてみましょう。

なぜ、シカゴという地名が設問に含まれているか?というと、

・フェルミ教授の勤務先がシカゴ大学で(シカゴ大学の教員で)

・教え子(シカゴ大学の学生)へ向けて出題した

との背景を容易に推察できます。つまり、出題する側も、答える側も、

シカゴが地元
ゆえに、

・シカゴの人口は300万人とする

・世帯数は10万世帯とする

・世帯あたり4万ドルの収入があるとする

と、調べなくても、数字を挙げることができたのでしょう。

その推理に基づく地名を筆者にあてはめると、

・東京の人口は(四捨五入して)1,300万人とする

・世帯数は(全国の世帯平均が2.5人前後につき、学生が多い東京は二人として)650万世帯とする

と、数分以内に答えられます。

が!

東京が、名古屋に置き換わってしまったら、まっっったく分りません(笑)

つまり、出題者と、回答者が、同じ情報を共有していればこそ(シカゴの人口を知っていればこそ)、数分以内に回答できるというもの。

これ即ち、前号の結論だった「アリの数が一京匹という数字(正解)よりも、一京を導き出す考え方のほうが大事」ということであり、

考え方の基本として、「蟻の数う?そんなの分からん!」と放り投げることなく、

まずは「考えてみようかな」と、挑みましょうね~ということです。

なぜなら、マーケティングの実務は、可能性を追い求める仕事だからです。

数字は 未来への道しるべ【フェルミ推定】後編
へ続く
https://note.com/tanaka4040/n/n163f1845dfd5

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