営業活動の基礎は人の記憶に入り続けるアナログな作業
社風を決めるのは経営者
営業戦略の型は3つしかなく、
先ず、通販やメーカー等、売れる仕組みを作る水産型を選ぶのも、
その仕組みの中(FCや代販店)に入るかどうか決めるのも、
ヒト・モノ・カネを動かす経営者の判断です。
次に、林業型を選ぶとしたら、営業職としての適性がある人材を雇用するまで、
1.募集し続ける(ハローワークで反応が無ければ、求人広告を出し続ける)
2.手間ヒマかけて教育する(必要によっては、社外の研修に参加させる)
3.辞めるまで(売れない営業マンであっても)給料 = 固定費を払い続ける
以上の3点を徹底することによって、優秀な営業マンのみ集め、伸びてきた(厳しい営業で有名な)企業は沢山あることを他で述べました。
もちろん、売れない営業マンが居続けられる社風ではなくなりますが、社風を決めるのは、社の代表。
経営戦略です。苛烈な営業で有名な某社の創業者が、おだやかな人物だったりします。
当然、どこの企業とは名指しできませんが(笑)
聞いたことのある社名の一社や二社、あるでしょう。
無ければ、厳しい/営業/会社 等で、検索すれば、ワンサカ出てきますので、ご興味がありましたら、検索してみて下さい。
放漫営業は経営戦略を直撃する
1~3、いずれにしても、人事戦略にはカネ(資金)がかかりますので、林業型
を選ぶかどうか決められるのは、経営者のみ。
この型の中で、営業チームや営業社員は、売るための作戦を立てます。
いわゆる、営業戦略です。
道理で、100社100人の営業マンがいれば、100社100通りの営業戦略があるわけですが、
「うちの会社に、営業戦略は無いケド?」
と不思議に思う小規模の営業組織もあるでしょう。
それは、
(1)知らせて→(2)勧めて→(3)売る
という林業型が、そのまま営業戦略になっているだけの話です。
(1)~(3)の工程を、まとめて一言で経営者が、
「売れ」
と上意下達するため、戦略(経営戦略から見ると 戦 -術- )を、営業各個が立てることになります。
わかりやすく会話風にすると、
「社長。売れって、どうやって売ればいいんですか?」
「とにかく売ってくりゃイーんだよ!」
ってナところでしょうか(笑)
戦術(たとえば礼状)まで教えませんので、放漫経営ならぬ、放漫営業になり、
・売れやすい既存客のみ回る営業マンが現れます
・辞めていく(商材によっては、競合になる)優秀な営業マンが現れます
・新規開拓といっても何をしたら良いか分からず、外出して、サボる営業マンが現れます
まだまだ沢山の弊害があります。現金取引商売ですと、売上金を使い込む等々(本当。警察ざた - 表沙汰 - になりにくいだけです)
利益を優先しつつ顧客も優先する戦略は、営業マンの負担で保たれる
徹底されない林業型が、ゆるやかに農業型へ推移すると、経営戦略を揺るがすこと他稿バックナンバーで述べました。
既存客が増え、新規営業やってる場合じゃなくなりますから、新規開拓が疎かになり、顧客が減少し続け、いつの間にか、売上は減少します。
いちばん危機感をもっているのは社長ですので、社長が新規担当の営業マンにならざるを得ないケースもあります。
その場合の、社員の担当は、既存客。
それで既存客を深耕できれば良いのですが、既存客の有難さを知らない(新規営業を経験したのことのない)一部の営業マンは、既存客を離してしまいます。
そういえば、ある上場企業の優秀な営業課長が、嘆いていました。
「顧客が欲しいというから、僕が育ててきた新規顧客を、部下の〇〇に任せると、みんな離してしまうんですよ、あいつは」
「あ~分かる分かる。〇〇さんなら、そうでしょう」と、大爆笑しましたっけ。
営業部にもかかわらず、給料を、もらいにきているのですから。
話を元に戻して、利のみ追う林業型は、今月や来月の早い売上をもたらします。
早い売上は、早く入金され、早く資金になります(たとえば、給料として分配できます)ので、
新規客からだろうと、既存客からだろうと、早い売上が欲しい。
一年後の売上なんて、鬼が笑います。
そこで、まるで、麻薬のように、今月、来月、早く売る営業活動の繰り返しになります。
そもそも、利のみ追う林業型から始めたにもかかわらず、いつの間にか、既存客の維持(農業型)へ推移するのですから、
1)早い売上を優先しつつ(利益優先)
2)既存客の維持も優先(顧客優先)
しなければならない営業マン個々の負担は大変。一人二役です。
定時に帰る営業マンがいないのも頷けます。
21時までは帰れないという社風の(マスコミ以外の)会社もありますが、
営業活動の基礎は覚えてもらう(忘れ去られない)というアナログな作業
そして、農業型。
接待交際費が多い企業は、典型的な農業型です。新規客が増えようありません。
農業型は、既存客の維持に向いていて、新規客の増強には向いていない弱点があります。
しかしながら、
1)早い売上を優先しつつ(利益優先)=林業型
2)既存客の維持も優先(顧客優先)=農業型
以上の二つの型を融合させると、前述のような弊害が起こります。
この戦略は、過去に何度も取り上げましたので、チャッチャと流しますが、
・人件費(固定費)を増やさなくても出来ます
・休眠客をゼロにします
・営業戦-術-まで関与します(営業ノウハウを会社が教えます)
・早い売上になる営業と、一年先の売上になる営業を、同時進行させます。
具体的には、広告代理店に例えれば、広告が売れそうなご新規様のみ追うのは当然として、
名刺交換できたということは、時間軸にかかわらず、需要がある証拠ですので、
名刺交換した全ての人脈を、
・早い(来月の)新規客
・遅い(来年の)新規客
・紹介者
・応援者
として接触を続けます。一度でも取引があった顧客も、休眠客にならないよう接触し続けます。
営業活動の基礎は、名刺交換した人の記憶に入り続ける、アナログな作業ですからね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?