真理とはそれが錯覚であることをひとが忘れてしまった錯覚である
「語というものにあっては、問題となるのはけっして真理でもなければ、適正な表現でもない。そうでなければ、こんなに多くの言語が存在するはずがないからである」とニーチェは言う。
これが「道徳外の意味における真理と嘘について」と未完の短い研究からのものであることは、『歴史・レトリック・立証』でカルロ・ギンズブルグが教えてくれる。少し前にギンズブルグの『闇の歴史』を読んで以来、彼の歴史学にたいする姿勢が面白くて、この本も読みはじめたわけだ。そして、『歴史・レトリック・立証』もまだすこ