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バービー

  • 概要
    言わずと知れたアメリカ初のおもちゃ、バービーを映画化した作品。ひょんなことならバービーやケンの暮らすバービーワールドを出て現実世界にやってきたバービーとケンが様々な人や事柄に触れたことで引き起こされる出来事をコメディタッチで描く。

  • 観劇きっかけ
    友人(男)がYouTuberに影響されて「バービーが見たい」と私(男)に言い出したことがきっかけ。渋谷の映画館で他のお客さんはほぼ女性という環境の中、中心で陣取ってしまいメンタルに負荷を掛けつつ観ることになった映画。なんて日だったんだ。

  • 良かったところ
    コレ、ジャンルは何?という、戸惑いというよりは不思議な気持ちにさせられる、そういう意味ではぜんぜん子供向けというか子供騙しではない映画。バービーやケンはバービーワールドで頭お花畑のクレイジーパリピ状態から物語がスタートするものの、現実世界に出てくるとモブの男たちに性的な対象として見られること、10代の女の子たちがバービーのせいでジェンダー問題が無意識下で広がったことを指摘して存在自体に否定的な態度を取ってくることなど、メタ的な、そして広角だがかなり独特な視点でバービーに光を当てまくるところが独創的で前衛的。疑問や鋭い視点はケンや男性キャラクターにも容赦なくぶつけられ、どんどんカオスになっていくが、たしかに、なるほどと思わされる部分が多く、女性男性や子供大人問わず映画の広告の印象以上に何かを感じるストーリーになっているのは確か。きれいごとで誤魔化してまとめなかったのは大きく評価できる。

  • うーんポイント
    視点はたくさんの角度が準備されているが、いかんせんちぐはぐな部分もある。なぜバービーワールドと現実世界は繋がっているのか、なぜモブは人間的俗世的なのにマテル社の社長や取締役たちはあんなにポンコツなのか、なぜマテル社で働く母親の創造性とバービーの頭が繋がってしまうのか、なぜケンはあんなに不憫な扱いを受けるのか、謎だらけすぎる側面もある。何を伝えたいのか絞りきらなかった広がりが、それに対して発生する混乱とのバランスを取れているのかは難しいところ。とはいえ、観る人が何らかの気づきを得ることには変わりないはずだけど。

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