M-1について:敗者復活戦

M-1について書いてみようと思う。
少し期間が空いてしまった。単に終わってから忙しかったのもあるが、熱いうちに打ちにくい鉄だったというか、ちょっと消化しきれない何かがあって、言語化が難しかった。
結局その正体をちゃんと捉えられているわけではないが、少しずつ言葉にはできる感覚が出てきたので、書いてみようと思う。メモ的なやつだけど。
まずは敗者復活戦、各組に思うことから。

Aブロック:

  • 華山
    はなやま だと思ってた。初見。
    浴衣デートしたいのにめんどくさい女の子を演じられるネタ。
    ボケのキャラクターがかなり強い。ちょっともたれるくらい。自分でもネタ中言ってたけど見た目が強過ぎてやっぱり女の子には見えない。題材は面白かった。

  • ぎょうぶ
    ハナクソを食べることがよくないと言う話について、結論は同じなのに片方の認識がもう片方の認識とズレている過程のネタ。かなりセンスの良い展開。言葉選びも素晴らしく、かつ自分達に合っている感がある。題材がハナクソだったのでお客さんも聞きにくい感じがした。違う題材でこれをやられたら他のコンビにはかなり脅威のはず。

  • ロングコートダディ
    仕事を増やすためにそれぞれに真逆の属性をつけよう、というネタ。素人目にも面白さに加えてプロの技が光り、すごいのが分かる。方向的にはシンクロニシティに近いのか?伏線を全て回収して行く勢いは素晴らしく、心地よい。しかし技巧派過ぎて爆発的に面白いとはならなかった。上手いのに勝てないってホントに変な大会。

  • ニッポンの社長
    やばい奴にもっとやばい奴が別ベクトルのやばさが香る説教をするネタ。KOCの時も思ったけど、ケツのキャラが世の中に認識されてきたことがウケに繋がる感じがする。怪奇とかがやっていた強制暗転の爆発音を使う飛び道具も出してきた。面白さはあるけどM-1でこの人たちがもっと勝つにはどうしたらいいんやろう。難しい。

  • 20世紀
    将来売れたらやりたい居酒屋をやってみるネタ。とにかく動きが大きく、声も大きい。ダイナミックさは素晴らしい。世界観がぶっ飛んでるのが本人たちの売りなんだと思うが、ちょっと風呂敷を広げ過ぎてる感がした。

  • ママタルト
    キャンプに行こう、というネタ。ママタルトのスタイルは正直自分の好みではないが、今回は本当に笑った。肥満のキャラを生かしつつそうではないボケも使って行く部分は巧さを感じる。なぜあんなに動けるんだ肥満さん。個人的には最後のオチにサンパチを使ったことは、あの場だけみると面白いが、ネタとの乖離からしても「なんで?」が勝ってしまう感じがした。世界観の中でもっとうまく収められるオチがあればなお良かったのかも。とはいえロングコートダディに勝ったのも納得の出来。

  • ヘンダーソン
    ドッキリ番組に出たい、というネタ。このシステムに変えてからのヘンダーソンを見た時、変なの見つけたな、でもハマっててすごい良いなと思ったが、それを上手く使い切った素晴らしいネタだった。たまに題材の話が全然進まずに終わることもあったが、今回はバランスよく本筋を使いつつお互いの良さを引き出していた。ブロック勝ち上がりの時はなんか高校の部活で先輩の引退試合を見た時の感動に近い感覚を得た。決勝には進めなかった、M-1には出れなかったけど、辛いと思うけど、まだ漫才を続けて欲しい。

Bブロック

  • 豪快キャプテン
    冬眠を勧められるネタ。2人は芸歴が若く、当たり外れが大きい印象。今回のネタは悪くなかったが客席の笑いを聞いているとチョイスが惜しかったように感じた。他にも面白いネタはあるし、ギャンブルゴリラさんは名前に反して神経質な喋り方が面白いので、名前が浸透して行くと漫才にもっと良い効果が乗って行く気がする。

  • 鬼としみちゃむ
    初見。手術を嫌がる少年にホームラン打つ約束で励ましたいというところから始まるネタ。見た目と対照的にしゃべくりで構成もかなり面白い。冒頭の4軍の相撲取りはわかりにくかったので実際の呼び名を使うのも良い気がした。普段はこのシステムでは無い様だが、お笑い好きに刺さるフレーズが中毒性があり耳に残る感じがする。

  • スタミナパン
    初見。YouTubeでやりたいことのネタ。しょーもないネタに見えるが、最初からずっと同じ動きと短尺をツッコミの技量と使用ワードで笑わせて行く素晴らしい漫才。特に"うんこ"ではなく"うんち"をチョイスした点と、"ソーラン節歌ってみた"は本当にセンスがいいと思う。ツッコミの人は無個性の会社員にしか見えないのにワードと尺が的確。

  • トム・ブラウン
    スナックで飲み過ぎの歌うおじさんを注意するネタ。このネタはスーパーニュウニュウの岩手単独で観て涙が出るほど笑ったが、今回もとにかく笑った。もう最初から全部意味がわからないのに、どんどん面白くなる。後半につれて要素が増えるが、飽きやすい前半を少しずつ変えて行くのでなんか更に面白くなってしまう。あれだけ詰め込んで成立させる謎の技術が毎年本当によくなっている。もう一度決勝に行って欲しいが、優勝はしてほしくない。

  • エバース
    交通費を安くするためにケンタウロスにするというネタ。字面で見ると奇天烈過ぎるが、スタミナパンやトム・ブラウンが散々荒らした後にそれを全て整えた上で綺麗に自分達のスタイルでウケるという、今回敗者復活戦で1,2を争う上手さだった。意味不明な提案や進言を裁くツッコミが的確すぎる。今後絶対ストレートで上がってくる、もうそのイメージが見える。

  • ナイチンゲールダンス
    ホストのネタ。2年ほど前に見た時から上手いと思っていたが、見るたびにキレが増している。ボケの器用さとツッコミの巧さが素晴らしい効果を出していた。2人は平場もかなり上手なのでポストMC芸人だと思っているが、漫才でもウケ倒していって欲しい。

  • オズワルド
    隣にいるの当たり前だと思ってない?というネタ。オズワルドは好きなんだけど、最終決戦でやらかした時と、やっぱり芸能スクープされてしまうほど色んな色がついたことが2人にとってのハードルをありえないレベルまで上げている気がする。上手い、おもしろいだけで済まされないのが不憫だが、これを跳ね返してもう一度決勝の最終決戦へ殴り込んで欲しい。


Cブロック

  • ドーナツ・ピーナツ
    女の子に生まれてたら高級クラブのホステスをやりたかった、というネタ。実力が高く他の賞レースでも評価されているが、今回も上手さはあれど爆発力に欠けた印象。せたらうの一言は面白かったが、他にやばい奴が多過ぎたせいか。

  • きしたかの
    学校で先生に間違えてお母さんといってしまうシチュエーションをやりたい、というネタ。妙な設定をたかのさんのキレ返しで面白くしていく。YouTubeでもたかのさんをいかに怒らせて面白くするかがキーになっていて、たかのさんのキャラも認知されつつあるのでウケはあったが、誰か(かまいたち山内さん?)が言ってた様にちょっとたかのさんを前に出すのが早過ぎて後半失速した感じがあった。

  • シシガシラ
    カラオケで何を歌えばいいのかわからない相方に脇田さんがアドバイスするネタ。一切突っ込まず質問してうっすら煽るという斬新な仕組み。本当に面白かった。(ここまでも勝手なこと書いてきてなんなんだけど)プロの判断に物申すのは本当に恐縮だけど、絶対決勝ではこのネタをやるべきだった。かまいたちのYouTubeチャンネルで山内さんのコメントを聞いて少し納得した部分もあるけどやっぱりこのネタをすべきだった。面白い2人なんだから。この経験を必ず今後に必ず活かして欲しい。

  • ななまがり
    あいのりに参加したい、というところから始まるネタ。ななまがりは最推しのひと組なのでフィルターがかかってしまうが、差し引いても面白かったと思う。ななまがりには漫才構成にいくつか種類があるが、森下さんが謎のキャラをひたすらやり続けるネタでは全てのボケがウケていた感じがある。シシガシラの勝ち抜けに文句はないが、決勝行ってたらなぁと思う。
    漫才も一級品だが、コントはそれと同等、あるいはそれ以上に面白い。これからも二刀流で頑張って欲しい。R-1も期待してます。

  • バッテリィズ
    初見。
    北海道旅行に行きたい、というネタ。
    ツッコミが絶妙にアホなことを言うので話がどんどんズレていく。珍しい設定だが、キャラクターを紹介するフレーズやそれを浸透させる効果を狙った一言が絶妙で上手い。だんだんアホな方が正しいんではないかと思えてくるので、面白いという要素を超えて何か新しい視点を得られるのが魅力に思える。聞き取りやすく、上手さも感じる。なんか華がある。今後決勝に行きそうなコンビ。

  • フースーヤ
    かっこいい海賊をやりたい、というネタ。かなりフースーヤのスタイルが定着・認知されていることに驚きを覚える。本筋と関係ないボケの応酬はもう名人芸的な雰囲気すら感じさせる。
    個人的にはやっぱり話の本筋をボケに邪魔されることに少しだけストレスを感じるで、昔ヤーレンズのシステムで見た「今日は美味しいチャーハンの作り方だけみんなに伝えたくて」みたいなネタの方が彼らにフィットする感じがする。

あぁ、疲れた。。勝手なこと書いただけやけど。
ここまでで3500文字超えてるとは、、
ブロックごとに分けて書けばよかったな。。

あくまで個人的にそれぞれのコンビに思うことを勝手に羅列しましたが、前提として敗者復活戦に出ているコンビはレベルも高いし、それぞれちゃんとファンが付いてるし、この舞台に立つだけで喜んでる人がいることは素晴らしい。

決勝についても同じ様なメモ的投稿をできればと思いますが、また別の記事にします。

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