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スキップとローファー

  • 概要
    石川県の田舎町から大きな夢を持って東京の高校に進学した岩倉美津未(みつみ)と、個性豊かなクラスメイトの織りなす日常を描いたやわらかコメディ。勉強は出来て頭の回転もいいけどどこかズレている純粋な主人公と、様々な背景と悩みを抱えたキャラクターたちが関わり合い、気づき、親交を深めていく。

  • 視聴きっかけ
    妻がとにかく見て欲しいと言うので見てみることに。タイトルだけは少し前から知っていたものの絵柄や設定、物語の雰囲気から好みではないだろうと勝手に判断して敬遠していたが、3話まで見たところで完全にハマってしまい、その後一気見した。大変失礼いたしました。

  • 良かったところ
    物語全体を通して強引に青春エネルギーを使う、とにかく純粋さで押す、という力技ではなく、価値観の違いによる問題や悩み、対してそこにフラットに当たることで得られる気づきを経てキャラクター達が互いに関わり合う過程が素晴らしい。丁寧に描かれていることで見ている側にも説得力をもって沁みてくる感覚がある。物語のテンポや雰囲気こそ柔らかでゆっくりだが、過疎化、トランスジェンダーの叔母(叔父)、帰国生など、現代的で難しい要素も散りばめつつそこと向き合う姿勢が良い。
    個人的に最も肝だと思うのはクラスメイトである江頭ミカと主人公みつみとのやりとり。計算高くてちょっと嫌なやつだけど、それでいて共感や理解もできる序盤のミカの振る舞いと、それに翻弄されかけつつ独自の分析でフラットな評価を投げかけるみつみとのやりとりには心を打たれるものがあった。私なんかはつい人の行動を一般化して世の悪いものと結びつけ敵対の構図を作ってしまいがちだが、相手に投げられたものを拾って投げ返すのに妙な攻撃性や勢いは要らない、ということをみつみから教えてもらった気がする。
    学園コメディではたまに時間のスキップが入るが、核になる出来事ややりとりを上手く描いているせいか、見ていないところで各々の関係性が進んでいても気にならないのも構成が良いからではないかと思う。

  • うーんポイント
    これは構成上仕方ないことだが、男子勢の描かれ方が少し物足りない感じがする。確かにそうなんだけど、もっと熱かったり深かったりする要素があってもいいかなぁと。
    あとは、大人との関わりも少し薄いのが勿体無いなぁとも思う。みつみの叔母(叔父)のナオちゃんとミカのようなやりとりがもう少し増えるとさらに良いかも。
    どっちにしても原作未読なので、今後アニメの1シーズン後の展開で待ってるかもしれないけど。

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