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ぼっち・ざ・ろっく!

  • 概要
    2022に高く評価されたバンドアニメ。人見知りコミュ障の陰キャラすぎる主人公が、ひょんなきっかけで強引に引き込まれたバンドへの加入をきっかけに成長していく物語。

  • 視聴きっかけ
    とにかく視聴をオススメするアイコンがFireTVに出てきまくっていて、うざったいなぁどうせよくある感じのアレだろと思っていたが、アジカンがモチーフになっていると聞いてちょっと興味が出たため、世の中からのブームが落ち着いた頃に視聴。

  • 良かったところ
    とにかく主人公がひどい人見知りという設定だが、ともすればセンシティブなコミュ障をうまく描き、周りの面々を使いながらコミカルに演出している。最初はこんなひどいレベルのやついるのかと思いつつ、個人的には自分にも投影できる部分が要所にあり、結果的に応援したくなる構造。
    主人公はギターにのめり込んだことから高校生とは思えないスキルを持ち"ギターヒーロー"として動画投稿サイトで活躍するも、自身の人見知りコミュ障のせいで対面ではまったく良さを出せないと言う「セルフプラマイゼロ」のキャラクターであり、これが良さにも悪さにも効いている。こいつはやれば出来るんだ、という要素が安心感として視聴者を支えるため、頑張れと応援してしまうのかもしれない。
    あとは挿入される曲がなかなか秀逸で、年代やバンドの歴設定に非常にマッチしている感覚があり、リアタイ感、臨場感を生んでいる。特に初ライブでの音が合わない感じは素晴らしい演出で、全体的に音楽表現には強いこだわりを感じる。アジカン青春ドンピシャ世代としてはアジカンを聴きたくなる要素がそこかしこに仕込まれている。

  • うーん箇所
    主人公以外メンバーの影の部分、背負っているものが少し薄く、ドラマが温く感じてしまう。それぞれキャラは立っているのだが、バンドをやる理由、音楽へのこだわりが(演出での音楽へのこだわりと裏腹に)中途半端に思える。原作未読なのでひょっとすると今後の展開で変わっていくかもしれないが、12話の中では感情移入しにくく、キャラが生かしきれていない、勿体無い感じがした。
    令和の物語という受け皿の特性もあるかもしれないが、挫折と再生についてもう少しドラマチックに(ある種ダメージを露骨に)描いてもらえるほうが、物語に厚みが出て、楽曲の響き方が更に良く変わっていく気がした。ロックの話だし。

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