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シンデレラの岡山備前コラボ第3弾に便乗して伊部を観光してきた


前書き

コラボ企画本当にありがとうございます…!


肇ちゃんが備前焼小町に就任した報せで腰を抜かしてからもう3年近く経ち、コラボの回数も3を数えるなど時が経つのは早いものですね。ご縁が続いていることに感謝するばかりです。

自分は過去2回のコラボでは日程が合わなかったので、3回目にしてようやく初参加となります。伊部どころか岡山にも行った事がなかったので、今回のコラボは本当に良い機会を与えてくださったと思っています。肇Pの一人として聖地巡礼もいつかはしておきたかったし…。

報告書くらいしか人に見せる文章は書きませんが、折角なので初の伊部旅行記を初のnote記事にして投稿することにしました。目に留めて下さった方にほんの一端でも魅力が伝わればな、と思います。

かなり長くなりますが、是非お付き合いください。



4月6日

起床~伊部への移動

いよいよ初の岡山県、伊部への上陸だ、という事でウキウキで自宅を出発。

最寄り→東京→姫路→播州赤穂→伊部のルートを通りました。東京↔姫路に3時間、姫路↔伊部が1時間で13時過ぎに到着。東京から新幹線を使う場合の最安値はJR東海道の往復ホテルプランで3万前後かと思います。(その場合のルートは東京→岡山→伊部になる)

最初は最安値のルートを検討していたのですが、プランの対象が岡山駅周辺のホテルしかなかった為、少し高く付きますが新幹線とホテルを別々に取ることにしました。

伊部と岡山駅が案外遠くて、姫路からの距離と大差がないです。調べるまでは歩いて15分くらいだと思っていたので驚き。

他を見る予定が無いのであれば、自分みたいな初心者は伊部の宿を取った方が全体的な満足感は高くなるんじゃないかなぁと思いました。


伊部駅到着

ついに伊部に到着。

界隈では伊部に行くことを「伊部イン」って言うらしいですよ。

折角なので伊部インの始祖について調べてみました。絞り込み期間は肇ちゃん実装日の2012/3/15から現在までを取り徐々に狭めていくことに。

確認できるところだと、5年前の肇ちゃん誕生日らしい



肇てデレスポのAR機能使った

Twitter(現X)でよく見る看板を撮影してから、伊部駅に隣接している「観光情報センター」に入館。

入ってすぐにコラボの看板とメッセージボードが目に入ってくるので、コラボ商品の注文用紙記入とメッセージの記入を行いました。

愛が強い
扉の前にドドンと置いてありました
お美しい


メッセージボードの横に階段があり、そのまま上に登ると…

お疲れ様です

結構不意打ち気味に去年度(?)コラボ時の肇ちゃんの看板と対面。すごい、まだ置いて下さってるんだなぁ…。

肇ちゃん看板後ろのカウンターで、コラボ協力店舗のレシート(合算可能)3000円ごとに一枚ノベルティがもらえました。

向かって右手側は備前焼の即売所になっており、数多ある作品を見て触れてから選ぶことができるようになっていました。今回はここの即売所を利用しませんでしたが、シンデレラに触れていなかったら忙しい時にお土産を空港で探す感じで買っていく世界線があったかもしれない。

一通り見た後は一階でレンタサイクルを申し込み(ママチャリ800円、電動1500円、9~17時利用可能)。

さあいよいよ伊部の街へ行くぜ!(13時42分)


昼飯を求めて伊部の街をさまよう

里!
里!!
ふる里!

駅から出た瞬間に備前焼のラッシュ。他の街で摂取できる一生分の備前焼が僅か3秒で摂取可能、お得すぎ~~~。

備前焼という文字列が余りにも多くて気を取られがちですが、写真にも写っているように山が近くにあるなど自然が豊かな街です。この日は天気にも恵まれており、心地よい風を感じながら自転車を漕ぐことが出来ました。空気の清涼感が凄い!

もう腹がペコペコだったので、新幹線の中で調べておいた「双葉食堂」さんに向かう事に。駅から自転車で2分程という中々の好立地の為すぐに到着。 

いいねぇ~~~~

まだ食べてもいないのに勝利の味がする(13時50分)。鳴り続ける腹の虫を無視しながら勝手口をくぐると、テーブルに座るご家族と目がバッチリあう。何か様子がおかしいぞ、と思いながら「やってますか?」と聞くと、「もう終わっちゃったんですよ」との事。よく見ると営業時間は14時までであった。

こうして双葉食堂さんでの昼飯を食いそびれました。

流石に昼飯は食べたかったので、その場で飯屋を検索すると思ったより数がないことに気付く。とりあえず一番近い「寿司一」さんに入ろうと思い自転車を3分程漕いだが、こちらも14時までの営業であった…。ダメ元で聞いてみるも、やはり駄目っ・・・・・!ぐにゃあ

スシ!

他にもカフェ等はあったのですが、自分は甘い物がダメだったので、諦めて断食する運びとなりました。悲しい。

こうならないように皆さんも営業時間は事前に調べましょう。

気を取り直して伊部の街を本格的に観光することに。


街中の散策、天津神社~宮山展望台

まずはどんな街なのかを確認するため、自転車を軽く走らせました。

撮ってた気がしたけど、街中の写真あんまり撮ってなかった……。

イメージ通りの日本建築が並んでいて、幾ら走っても飽きないです。駅から出てまっすぐ行くと備前焼のお店がいっぱい並んでいたので、道に迷うことはまずないんじゃないかなぁ…と思います。

10分程自転車を走らせたところで、上から見たくなったので「宮山展望台」へ行くことに。「天津神社」の門の横に自転車を停めさせていただき、石段を上った。

よく見ると脇に焼き物がおいてあるのがユニークですね。

石段登ると元気になれるらしいです。

参拝は明日にしようと思い、鳥居前で一礼だけして横を素通り。

空気がおいしい~

神社の横は山道になっており、30度くらいの傾斜が付いていました。下を半袖にしておいて良かった…。

しばらく歩くと、こんな看板が…。

初見で意味が分からず脳がフリーズした



「陶片が散乱…?」



あーー
なるほど

確かに大中小様々な大きさの陶片が地面に散らばっていました…。土の中に完全に埋まっている物もあると思うと、長期間に渡る文化の根付きを感じずにはいられません。

しばらく陶片を眺めてから展望台に向けて歩きを再開。思ったより高さは無く、1分程で展望台に到着。

写真が下手すぎて伝わりにくいですが、景色が本当によく見えます。ここで伊部の街が山に挟まれていることを知りました。

個人的に初手で行くべきスポットだと思います。

しばらく景色を満喫した後、備前焼の店を巡るため下山。


一陽窯さんを見学する

伊部到着から約2時間。ようやく今回の旅行のメイン、備前焼巡りをスタートすることに。

備前焼に関してはズブの素人なのでどこに行ったら良いか分からず…。

コラボタグ「#シンデレラ岡山備前コラボ2024」で検索したところ、言及されている方の多い「一陽窯」さんを見学することにしました。

ショーケース下のような壁を「なまこ壁」というらしい

軽く挨拶をして店内を見始める、すると…。

店では撮ってなかったので付けた後



「We ❤ INBE」



!? 明らかに備前焼ではないが、これも何らかの陶器の一種なのかもしれないと思いながら恐る恐る手に取ってみた…。

「ただの缶バッジだった…。」ちょっと安心。

❤ INBEバッジを見つめている(?)と、御上さんが「ラス1なんですよ~」と声をかけてくれました。

もう既にI ❤ INBEだったので、購入して仲間に入れてもらうことにしました。少しタイミングが遅かったら一人称が単数のままだったかもしれない、セーフ。入荷は未定らしいです(2024/04/11現在)

御上さんが非常に気さくな方で、シンデレラに関しても最新の情報を把握していらっしゃるようでした。雑談等している中で肇ちゃんに関する話題が出ることもあり、予想以上にしっかり受け入れられていると感じました。ありがとうございます。

話の流れで窯の方を見学させて貰うことに。

登り窯というらしい
窯の中
窯の中2
手前が備前焼ぴにゃの焼かれた窯らしい
棚状に組み上げて焼く前の土を置いていくらしい
燃料
煙突

まさか窯の中にまで入れてもらえるとは思わず、結構興奮気味で写真を撮ってしまった。4つある窯の一番手前(画像1枚目)から焼いていき1200度くらいになったら次の窯を追い炊きする、というのを繰り返すらしいです。焼く際には画像5枚目の鉄板を窯の中で棚のように組み上げていき、こねた土をその上に置いていくそうです。

この窯では1回に大体1500個くらい焼くことが出来て、年に2回火を通すとのこと。また、ここ数年の気候の関係で火を入れる時期が昔と比べて微妙に変わっているらしいです。焼きあがった後には組み上げた棚から作品を出していくわけですが、ごくごく稀に凄まじい悲鳴が聞こえることがあるんだとか…。

一通り窯の見学が終わった後、店内に戻ることに。

今回はお茶碗を探しに来ていたのでお茶碗を確認。やはり毎日使う物なので妥協はしたくありませんでした。「他の店も回って比べた上で後悔の無いように選びたいので、冷やかしのようになって申し訳ない(超省略)」といった旨を御上さんに伝えました。すると、「来て器を見てくれただけでも嬉しい(超省略)」との言葉を戴きました。

割と本気でビビっていたので、気持ちが軽くなりました。

いい感じの器を記録し、宿泊先の宿や岩手などの雑談をして店を後にすることに。

御上さんの人柄が良く、面倒な質問にも丁寧に答えて下さるなど素晴らしいお店でした。


手荷物を預ける為に宿泊先の宿へ

一陽窯さんに長いことお邪魔している間にチェックインが可能な時間になっていました。

バックパックに最低限の荷物だけ入れてきたのでそんなに重くは無かったのですが、荷物は軽ければ軽い方が良い。使わない荷物を置きに宿泊先である「備前ホテルすえ」さんに向かうことに。

駅に向かって左上の方に進み直進すること約二分。

伊部INN!
肇ちゃんに営業されている気分になったので一枚戴きました

こちらのホテルは完全に無人のホテルになっています。チェックイン、アウト全てが機械です。

何かの役に立つかもしれないので、簡単な手順だけ書き残しておきます。


予約の前日にチェックインするためのコードと、ホテルに入るための仮PWがメールで届く。

まずはホテルに入るためのエントランスに仮PWを使い入館することになる。PW入力用の端末はホテル内全て共通で、2秒ほど触れ続けると表示される仮想キーボードに入力する方式。

入館すると目の前にチェックイン用の端末があるので、登録情報とチェックインコードを入力してチェックインは完了となる。メールで本PWが届くのでそれを入力することで、廊下に続く扉を開けることが出来る。以後全ての扉が本PWで開くようになる。

廊下を歩くと客室があり、部屋の前でPWを入力し入室する。客室だけはオートロックではないので手動での施錠が必須。


部屋に付いた瞬間、荷物をぶん投げてしまったので部屋の内装は撮ってません…。

とりあえず必要なさそうなものとコラボグッズを置いて再出発。


お茶碗を求めて一陶庵さんへお邪魔した

ホテルを再出発した頃には16時くらいになっていました。

大体のお店は17時で閉まると聞いていたので、お話しの時間や器を吟味する時間を加味すると、回れるのは残り1店といった雰囲気に。

さてどの店に行こうか…。やはり頼れるのは先人の知恵ということで、再びコラボタグでサーチすることに。

そういえば名前見たことがあるな!ということで、伊部観光初日最後のお店は「一陶庵」さんに決定。

先ほどお邪魔した一陽窯さんの左手に自転車を走らせること約1分。

坂道をそれなりに走ることになるのでまあまあ運動になります。日頃から運動する習慣が無かったら用水路に転がり込んで肥料になってたと思います。

自転車を停め、インターホンを鳴らして店内に入れていただく。

店内はお土産屋さんのような感じです。岩手で窯にお邪魔するまで持っていたイメージとほぼ同じで「おお!」となりました。

御上さんは非常に気さくな方で、お店に入ってすぐにP向けのおすすめ商品や近況などに関して教えてくださいました。周辺のポケストップの申請は殆ど御上さんが行っていたらしいです。レレジギガガガガガガ
店内にもP向けと書かれた商品が置いてあり、初心者Pに優しいと思います。

なんと名刺交換も行っていました。自分は名刺を作っていなかったので一方的に受け取る形になってしまいました、申し訳ないです。そういえば、丁度コロナ禍の年の新卒なので名刺渡しってやったことないんですよね、次回までに土下座名刺渡しを習得しておきます。

欲しいお茶碗の形状とご飯を掻っこみたい欲をお話しすると、お茶碗にまつわる面白い話を教えてくださいました。

備前焼のお茶碗は洗浄時にゴシゴシ擦るなど、日常で使い続けている内にその姿を変えていくのだとか。ザラザラな面がツルツルになったり、色が変わったりと。

実際に御上さんが数十年使っているお茶碗を持ってきている、ということで見せていただきました。お店に並んでいるものと感触、見た目を比べると完全に別物になっていました。すげぇ、家で使っているホームセンター産の磁器は10年以上使っても何も変わらんというのに。

このように姿を変えていくのを、器を「育てる」というらしいです。毎日使うような器は各々の使い方に無意識の個性が出ているだろうし、同じような変化を再現するというのは不可能でしょう。育てるという言葉は本当にピッタリだなと感じます。

また、備前焼は非常に頑丈で投げても割れないらしいですよ。でも流石にコンクリとかはムリ。伊部を舞台にした映画『ハルカの陶』(間違っていたらごめんなさい)で実際に投げて耐えるシーンがあるらしいです。予告編では叩きつけて砕け散っていますが…。

日頃趣味でAmazonレビュー★1台の和製B級ホラー映画ばっかり見ているので、腐った価値観を戻すために今度視聴してみようと思います。primeビデオで500円でレンタルできるみたいですよ。

お茶碗を見せていただいた後は横にある文字列に目が留まる。



ストロー



「備前焼のストローってなんだ…?」口に出ていたらしく、御上さんに教えてもらいました。普通にストローだった。太いのと細いものがあり、太いものでスムージーを飲むと美味いとのこと。タピオカが流行った時に作ったらしいです(間違っていたらごめんなさい②)。

保存法は箸入れにキッチンペーパーを入れてそこに包むのが良いとか。

これは買うしかないな(何故?)と思い、並んでいた細い奴を比べていい感じだったものを購入しました。まだ2店しか回っていないこともあり、お茶碗を買うのは早計だと思ったのでストローとPストラップを会計することに。

会計の前にも色々と雑談をしたのですが、一陶庵さんは伊部の壁サーらしい。伊部のお店で壁サーという単語を聞くとは思わず、オウム返ししてしまった。「か、壁サー?」

肇ちゃんの事も熟知されているようで、本当にありがたい限りです。

そして一陶庵さんにはログインボーナスがあるとのこと。

ログボくらいあるか~~~~~(???????)、俺はこの壺を選ぶぜ!

Pストラップと包装
ログボの壺とストロー


最後にPネームを書いていただき店を後にすることに。

終始翻弄されるようなユニークな時間を過ごせました、ありがとうございました。


謎のガチャ

一陶庵さんで密度の濃い時間を過ごして外に出ると、日が傾き始めており後は宿に帰るだけとなっていました。

夜食用にスーパーで刺身と飲み物を買おうと思い、自転車を走らせると…

「そうか、備前焼ガチャか。」



備前焼ガチャ?????



一回素通りしたけど、冷静になって戻ってきてしまった。店先に当然のように備前焼のガチャが置いてあるのは流石伊部といったところか?

他の店にも置いてあったので探せば10箇所くらいあるのかもしれない…。

こんなガチャを見せられたら当然回す以外の選択肢はないので、500円を両替してもらい単発納税を行う。

結構ガタイの良いカエルが出てきた

比較用のエルフーンからも分かる通り、大きさはそこまででもないですが、しっかりとした重さを感じます。けたぐりなら威力20といったところでしょう。

そのまま捕獲したカエルをバッグに入れ、今日の観光を切り上げて宿に帰ることに。勿論自転車は返却しました。


晩飯~リベンジ~

宿に帰り一息つくと腹の虫が急に自己主張をし始めてきたので、晩飯を求めて夕闇が迫る伊部の街へ吸い込まれていく。

そこで思い出したのが、一陽窯さんで雑談の最中に出た「寿司一さんは夕方から営業再開しますよ。」という言葉。もう行くしかない。

いざ、入店。

コラボ協力店の一つだったので、「高いもの頼んでもいいだろ!」ということでイキりながら特上寿司を注文させていただいた。

大谷翔平のホームランを背景に、ご主人がお寿司を握るのをぼんやり眺めること5分。主役のご登場。

特上寿司2,750円(税込)


まずはイカからつまみ、食べる。「ウメェェェェェェ~~~」
ネタが全体的に太くモッチリしていて食べ応え抜群だった。それでいて柔らかく口の中にスッと溶けていく。腹が減っていたこともあって5分ほどで完食。

パッと見少なく見えるが、見た目よりも厚さがありお腹一杯に。

ごちそうさまでした!!!!(レシートを受け取り忘れたので一回戻った)


夜の伊部

寿司の美味さを思い返しながら宿に戻りしばらく過ごしていると、ある疑問が湧いてきました。

「夜の伊部の街並みってどんな雰囲気なんだ?」

伊部の街は昔ながらの日本建築が並んでおり、見ているだけで何らかのインスピレーションが刺激されるのを感じられます。日が沈んだ後はどのような表情を見せてくれるのか気になり、居ても立ってもいられなくなりました。

一人旅の魅力は同行者の事を気にせず好きなタイミングで行動ができる点だと思います。思い立ったが吉日、すぐに出発することに。

ライトとスマホ、カメラと最低限の荷物だけで出発。月は雲に覆われており、街灯も余りなかったのでかなり暗くなっていました。

昼間は気付かなかったけど備前焼のタイル?
藤原
わざわざ車が通るのを待っていた不審者

最高ですね。たまに車が通る以外は人の気配が全く無く、自分一人だけ取り残されたような感覚に。とにかく静かなんですよね。静けさと影が落ちて全体的に色が濃くなっている街並みとが合わさり、独特の雰囲気を作り出していました。ホラーゲームの背景とかにピッタリかも。

街並みを堪能した後は、夜景を見に行くために宮山展望台へ。

提灯が人魂のように光っている
よく見ると石段の上の方で猫の目が光っている
右の奥の方にあるのが電車の光
うおおおおおおおおおおおおおおおお

写真が余りにもヘタ…。予想はしていましたが、夜の神社と山道は完全に暗闇でした。山の中では至る所からガサゴソという音と、カエルの「グケェェコォ」合唱が聞こえてきて自然を感じるなど。小学校の林間学校を思い出してノスタルジックな気分になりながら山道を登っていきます。

展望台にも当然人はいなかったので、走っている車や電車を見て光の動きを楽しんでいました。何時間でも過ごせそうでしたが、ホテルの共用キッチンが22:30までだったので下山することに。


就寝

ホテルに帰っても靴箱の使用された形跡がなく、自分の貸し切り状態だという事が判明。

道路に面していて少し煩かったので枕を逆にして就寝。伊部観光一日目が終了。


4月7日

チェックアウト~レンタサイクル

夜中のトラックに苦しめられよく眠ることが出来ませんでしたが、フィジカルで抑え込み8時半起床に成功。適当に朝食を済ませ荷造りを始める。

このホテルは全機械なので、チェックアウトも非常にスムーズでした。チェックインに用いた端末で画面に従って操作するだけで完了します。

ホテルを出た後は昨日と同じくレンタサイクルへ向かう。荷造りに少々苦戦したこともあって9時半くらいになっていました。


天津神社にお参りをする

まずは昨日していなかったお参りをすべく、天津神社に自転車を走らせました。

最早見慣れてきた石段を登り中に入ると

あらかねノートが置いてありました…。神主さんが歌詞を把握されていると思うと不思議な気持ちになりますね。ありがとうございます。

メッセージを書いた後はお参りをしておみくじを引きました。

大吉だー

今年度も良いことがありますように。


良きお茶碗との出会い

お参りを済ませると丁度10時くらいになっており、お茶碗を求めて店を巡り始めました。

4店舗ほど巡りましたが、中々決まらず…。勿論どの店舗のお茶碗も魅力的でした。色、模様、縁の角度、厚さ、高さ、形状、手触り、どれ一つとして同じものはありませんでした。それぞれに職人さん一人一人の味が出ており、甲乙つけがたいです。次回器を探しに来ることがあれば、またお邪魔すると思います。その時はぜひよろしくお願いします。

中々決まらなかったものの、帰りまでに見つかればOKだと思っていたので、そのまま5件目の「陶月」さんにお邪魔しました。

店に入ると息子さんがお出迎えして下さいました。陶月さんはコラボ協力店ではなかったので、肇ちゃん関連の雑談は発生しませんでしたが、その分器そのものについてのお話を伺うことが出来ました。

お茶碗を探している旨を伝えると、店に並んでいるもの以外にもバックヤード的な所で選ばせてくれることになりました。バックヤードには窯出しして磨いたばかりの物があるようでした。

そこで親子でも土の捏ね方が違うことを教わり、比べてみると確かに違いが全てのお茶碗に現れており、裏面の印字がなくとも判別できました。

説明を戴いた後はそのままの流れで窯の方を見学させて貰えることになりました。お茶碗だけを見るつもりだったので、思いがけない提案にびっくりして食い気味で返事をしてしまった。ありがとうございます。

棚が組まれてる!

窯はお父様の方が案内してくださいました。

窯自体の大まかな動作は一陽窯さんの物と同じようです。陶月さんで拝見した窯はまだ中に器が残っていたりと、何というかリアルタイム性を感じました。組まれた棚を見た時は結構興奮しました。

この窯を見た時は窯出しの意味がよく分かっていなかった為、画像一枚目で残された器を見た時、失敗したものが残されているのかと思いました。本当に失礼過ぎるのですが、「色が途中で変わっている器(画像3枚目の手前とか)は上手くいかなかった奴でしょうか?」と質問しました。失礼過ぎる。

当然そんなわけはなく、色を変える為に別の土を使っているのが理由でした。焦げたようになっている場所は灰を付けることで色の変化を起こしているそうです。不躾な質問にも丁寧に答えて下さって感謝しています。

窯の見学が終わり店内に戻ると、お父様の方からも器の説明をしてくださいました。ろくろを回すときの指の置き方の関係で器の外と内の感触が全く異なる事、備前焼は釉薬ゆうやくを使っていないことなど。なんでも、釉薬を使うと全部同じになるからつまらない(超意訳)んだとか。

一通りお話を聞いた後は、お茶碗選びを再開することに。器自体の説明をじっくり聞いた後は前と比べて、お茶碗が生きているような気がしてくる…。バックヤードには親子で合計60個ほどの作品があったので、全て比べていく事にしました。

15分程比較を続けた時、妙に手に馴染むお茶碗を掴みました。瞬間、これじゃないか?という確信に近い予感を持ちました。デザインと角度、手への馴染み方も申し分ない。一応その後も比較を続けましたが、やはり先のお茶碗が一番良いという結論になりました。他の店舗でも候補を選んでいましたが、それらと比べても自分には一番合っているように感じられました。

これがそのお茶碗です。底面の模様は藁を置いて付けたそうです。街にあった備前焼のタイルの模様も同じように付けたのかな?

会計を済ませ陶月さんを後にすることに。

サーバーなんてあるんですね…。(中々のお値段)

素敵な出会いをありがとうございました!大事に育てます。


天保窯~伊部北大窯跡

お目当てのお茶碗も見つかって、非常に満足な気分になっていました。正直伊部を出る直前までお茶碗を探すつもりでいたので、この後の事を考えていませんでした。

折角だし近くの文化財でも見ておこう、という事で「天保窯」に向かう事に。

5匹くらいアシナガバチが飛んでいたのでビビって写真は撮れず…。写真では全く伝わりませんが、とにかく大きい窯でした。これより大きい窯が少なくとも3ヶ所あったってマジ?

こどもさん!

そのまま直進すると北の大窯跡がありましたが、ただの山にしか見えなかったです。もうちょっと注意深く観れば分かったかもしれないですね…。
こちらの山道は展望台の方へと繋がっていました。


昼飯を食べる

下山するとお昼を回ってそれなりの時間になっていたので、昨日のリベンジをするべく双葉食堂さんに向かいました。



日曜定休日



あっあっあっ…。昨日失敗した時になぜ注意書きを読んでいなかったんですかね?

幸い営業終了時間までは余裕があったので少し離れた店で食事をすることにしました。お邪魔したのは「備膳バル」さん。店内は普通のバルでしたが、常連さんが何故かインターホン代わりになっていました。

おすすめは刺身定食のランチとのこと。しかし昨日の夕食に寿司、夜食に刺身と続いていたのでカツ丼を選択。

思ったより多かった

まずは漬物を食べてから、カツ丼に襲い掛かる。王道を行くカツ丼の味がする。地域特有の味も良いが、どこに行っても変わらない味というのも安心感がある。思ったよりもカツが分厚くて最後の方は苦しくなっていたが無事に完食。

ごちそうさまでした!!!


小西陶古さんにお邪魔する

備膳バルさんを出ると、帰りの電車まで残り2時間弱になっていました。お茶碗の他にもドンブリが欲しかったのですが、バッグのスペース的に不可能だったので、とりあえずどんな物があるのかだけ見ていこうと思い、「小西陶古」さんにお邪魔しました。

軽く挨拶をしてドンブリを見ていると、御上さんに声をかけられる。

自転車でこの辺往復してましたね~

街並みを見る為に何回も往復しているのを把握されていた…。確かに自分以外自転車を漕いでいる人は見かけなかったけど、は、恥ずかしい~~~~~その後軽く雑談をさせていただき、ドンブリ見学を再開。

ドンブリを見ていたはずが、横にめっちゃ良い感じのカップがあることに気付いてそちらに目を奪われてしまいました。さよならドンブリ…。
実際に持って傾けたりしている内に、お迎えしたい欲が出てきてしまいカップを選ぶことに。色々悩んだ結果一番いい感じだと思ったこちらのカップを購入。

あ~~~~いい!!!すごくいいよ!!!

会計を待っている間にまた色々と雑談させていただいたのですが、小西陶古さんは横浜の高島屋に出品しているそうです。「都会価格になっているかもしれないよ~」と仰っていました。再来週あたりにチャンスがあるのでたまげてこようと思います。

お茶と一緒に飲んでくださいという事でお茶菓子も戴きました。ありがとうございます。

また、カップの付録冊子に焼き色の種類について書かれていました。

なるほど~、このカップは桟切なんですね(ドヤ顔)


カップを入れたら前の袋が裂けたので、デカい袋を貰って店を後に。


伊部西大窯跡~伊部駅

万が一の無いよう時間に余裕を持っておきたかったので、伊部での自由行動は残り30分程になっていました。備前焼のお店に入ると電車を逃すと思ったので、近くの観光スポットに行くことに。

という訳で、伊部最後の観光スポットとして「伊部西大窯跡」に向かいました。北の時とは異なり街から少し離れたところで、周りは田んぼになっていました。

肝心の窯跡は北と同様正直よく分からないのですが…段々になっているところがそうなのかな?それでも落ちている陶片の量が明らかに多かったので、過去に多くの備前焼がここで焼かれていた、というのは分かりました。

一通り眺めた後は自転車を返却し、いよいよ伊部を去ることに…。


さらば伊部

楽しい時間が過ぎるのは本当に早いですね、起きてから体感2時間くらいで半日が過ぎていました。とてもじゃないですが1泊2日では伊部の魅力全てを堪能することはできませんでした。南の大窯跡も資料館も行けていない、まだまだ巡れそうなお店もいっぱいある…。

またどこかのタイミングで今回やり残したことをやりに来たい。ドヤ顔で伊部インと言いたい。

また来ます

二日間本当にお世話になりました!!!!


まとめ

今回伊部に旅行をして感じたのが、伊部の方々が地元に対して非常に高い理解度を持っていらっしゃるという事です。これまで国外問わず色々な所を旅行してきましたが、地元のホテルの泊まり心地を複数のお店の方が知っているなんて経験をしたことはないです。また、古くから備前焼という伝統文化が根付いていることもあり、現状のことだけでなく街の歴史にも詳しいように見受けられました。そして皆温かい…。

人もそうですが、伊部という街自体も素晴らしい所です。昔ながらの街並み、豊かな自然、そして文化を持っています。自分は都会の喧騒から解放されてとても居心地良く過ごすことが出来ました。自転車を漕いで徘徊しているだけでも楽しかったです。

もちろん備前焼も同様です。使い始めてまだ日が浅いので偉そうなことは言えませんが、日常に彩を添えてくれていることは確かです。製法の都合、同じものが二つとして存在しないため、各人で気に入る器は異なってくるはず。そんな中で街を歩いて自分の気に入るものにしっかりと出会えたのは、本当に素敵で幸運なことだったんじゃないかな、と思います。

きっかけはコラボに釣られる形でしたが、本当に伊部に来てよかった。肇ちゃんや悠貴さんの事を温かく迎え入れて下さって本当にありがとうございます。このご縁が長く続いていく事を切に願っています。もしここまで文章を読んでくださった方がいらっしゃるなら、コラボ期間の内外問わず行ってみてください。良い時間が過ごせるはずです。

非常に長くなりましたが、ここで筆を擱かせていただきます。お付き合いいただきありがとうございました。


2024/04/11 むそ



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