「好きなことで稼ぐ」の実態
「好きなことをやって稼ごう!」って言葉、聞いたことありますか?
ストレス社会と呼ばれるようになって、このワードが表立つようになってきたんですが、最近はその傾向がますます激しくなっています。
例えば、代表的なものでいえばyoutubeがありますよね。
自分がやりたいことをやって、それを見てくれる人がいて広告費で稼ぐ。将来なりたい職業ランキングでも上位に入るようになってきました。
他にも、起業セミナーなんかもそうですよね。
地方に住んでる方はあまり馴染みがないかもしれませんが(僕も福山市に住んでる地方民ですw)、最近の起業セミナーの集客文句も、「自分の好きなこと、情熱を仕事にしよう」なんてのがほとんどです。
要は、好きなことをやっていれば、あとからお金はついてくるってことですよね。で、その情熱が高ければ高いほど人々は熱狂して、お金はドンドン増えていく、、、というのが、彼らの謳い文句です。
ぼくもプロモーターをする側面がありますので、こういったセミナーの運営をサポートすることもたまにあります。なので、内部情報もそれなりに知ってるつもりでいます。
で、あえていうんですが、正直なところ、これほどくだらないことはないと思ってます。
なぜかというと、ぼくが好きで好きでたまらないことは、絶対に稼げないことだとわかっているからです。
好きなことをしてたら稼げるなら、叶うものならぼくはひたすらビールを飲みながら野球観戦にふけりたいです。何も考えずに読書を永遠としたいとも思ってますし、小学生の時に熱中したテレビゲームをもう一度やり込んで見たいと思っています。
それに、気が向いたら沖縄とかグアム、モルディブといった南国に飛んでいきたいですし、空港のラウンジなんかも見て回りたいですね。
で、ここからが大事なんですが、これらのことを全く頭を使わずに、ただひたすら能天気にやり続けたいんですよ。
つまり、人々が飽きないようにリアクションを大きくしたり、伝わりやすくするために会話の内容を考えたり、動画を撮って編集したりとか、ひと工夫ふた工夫することなく、ただボケーーっと過ごし続けたいんですよ。
そこが、一番やりたいことなんです。
でも残念ながら、それって誰も見向きしませんよね。
誰も見向きしないということは、需要がないということです。なので価値とお金の交換もすることができません。
「好きなことをして稼ごう!」を謳い文句にするのが悪いことだとは言いません。
ですが、そんなことをいってる彼らも、実は裏では嫌で嫌でたまらないことを歯を食いしばりながらやってますし、フツーにストレス抱えて悩んでたりしています。
じゃあ、なんで実は嫌なことをもやってるのに、それをやんわり隠しながらも「好きなことで稼ごう!」と言ってるのか?
それは、市場があるからです。
「現状に不満を抱えている人がたくさんいる」という現実がわかってて、「好きなことして稼ぎたい!」という需要があることを理解しているからです。
なので、自分のビジネスを大きくするために、あえて人々が求めている言葉を投げかけてるだけなんです。
つまり、「情熱・好きなこと」を大事にしよう!と言ってる人ほど、1番に持ってきてるのは「市場の発見・市場のニーズの把握」なんですね。
要はマーケティングということです。
だから「好きなことで稼ごうぜ!」と言ってる人は稼げるけど、本当に好きなことを仕事にした人は稼げないという矛盾が発生してるんです。
で、「好きなことで稼ごうぜ!」と言って人を集めて、「好きなことで稼ごうぜ!と言って人を集めろ。そうすれば稼げる。」と伝えるわけですね。
だから、ますます「好きなことで稼ごうぜ!」と言う人だけは増えていくと、、、、ってマルチじゃんw
田辺輝恭
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