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宵蛍の果て 沙羅の花

作:tana
原作:心に宝箱を宿す時
朗読:パンちゃん

半夏生

背中で潮風を感じる

貝殻を耳にあてて波音を感じる

透明感溢れる海

海底の小石を拾うように

手を伸ばす

見たことがないような

輝く小石に

心も輝いた

透き通ったレースのスカートを
まくりあげて

冷たい海水と砂浜とたわむれる

時折やってくる小さな波の水しぶきに
心が揺れる

そして目に止まった小さな貝殻を拾い集めて瓶に入れた

空から差し込む太陽の光が

一筋の希望に向かって

海に無条件に差し込んでゆく

求める場所は

海深く儚い居場所

深海という未知の領域に神秘的なものを感じ

海が世界中の人達の涙とするのであれば

私の心情も私の涙も
この海のどこかに
きっとあるはず

海の美しさ、海の切なさ、海の香りを
心箱に詰め込んで

ゆく蛍を追いかけながら、
いつか海の果てまでいきたい、

そして海を感じるのではなく、

海を想う人でありたい、

儚くて愛らしい白い花箱と共に

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