柿の皮
3歳児クラスを
ひとりで受け持っていた年の
秋
園庭の柿の木に
美味しそうな実が
たくさんなりました
これはみんなで食べようということになり
とったばかりの柿を
子どもたちと一緒に保育室へ
さあ
次は皮をむいて食べるだけ!
大人はひとり
むくのは私ひとりのみ!
当時の私は
家のことは全部母任せ
果物の皮など
ろくにむいたこともなく
「先生皮をむくの下手だけど頑張るからちょっと待っててね」
と伝え
子どもたちの前で
悪戦苦闘
七転八倒(笑)
「待っててね」
と言いながら
あやしい手つきで
こわごわ皮をむく様子に
みんなとても静かに
じっと見て待っていてくれていたのを覚えています
*****
あれから長い長い年月が過ぎ
職場で
渋柿があるので
子どもたちの前でむいて
くくって干す、ということがありました
そこにあるのは3つの包丁
担任の先生と
ちょうどお手伝いに来ていた保護者の方と
もう一本は私に!!
ふと思い出す昔のあの日の私
私
柿
むけるのか!?!?
そんな思いで
子どもたちの前に立ち
包丁を柿に当てると
するすると
最後まで途切れることなく
むくことができました
そうだよね
今は私も二人の息子のお母さん
柿の皮もリンゴの皮も
それなりにむいてきた
そりゃむけるよな
目の前にいる
あのときと同じく3歳児の子どもたちは
そんな私の心の中などつゆ知らず
私が皮をむく姿を
至極当然のこととして見ていました