キッチン水栓をタッチレスに交換 ②予習と準備
非接触・タッチレスで水を出せる
ナビッシュハンズフリーA9タイプ(寒冷地仕様)を購入しました。
浄水機能をのぞいた全部入りのモデルです。
いま付いているレバー式の水栓をこちらに取り替えます。
電気工事や自動車内装・電気のDIYはある程度経験しましたが、
水道については、これまでシャワーヘッドの交換くらいで、
水栓全部の交換はまったくの初めて。
事前に予習をして作業にとりかかりました。
予習したこと
以下、学んだ内容。
止水栓を締めろ、とにかく止水栓をキッチリ締めろ。
接続を外す前に水栓から水・湯が出ないことを確認せよ。
できれば上流の止水栓(元栓)を締めろ、
止水栓より上流で何かおきたらどうしょうもなくなるぞ。
少なくとも、元栓の位置は事前に確認しておけ。取り付けより外す方が大変。
固着していて旧水栓をサンダーで壊さなきゃならないこともあるキッチンワンホール混合栓の土台は、上面施工と下面施工あり。
下面施工のナット外しには専用工具がベスト。
この用途以外に二度と使わないけど。
うまくいかずに二度手間になるくらいならサイズ合わせて予め買っとけ。止水栓を開くときは少量から。接続したところから漏れないことを確認。
下面施工と上面施工
水栓をシンクに固定する方法は、製品ごとに大きく2種類に分かれる。
シンクの上から差し込んだ水栓を、
シンク下からナットで締め上げるのが下面施工。
シンクの下で寝そべって、上を向きながら作業が必要。
一方、上面施工は、
シンクの上から差し込んだ取付金具を締め上げて固定して、
取り付け金具と水栓を接続するという作業。
現在ついているタカギの混合栓は下面施工です。
最近のリクシルの混合栓は、基本上面施工なのですが、
ナビッシュシリーズのAがつくタイプは下面施工です。
水道管のネジの規格
混合水栓(逆止弁)と止水栓の接続部は、
G1/2という規格のネジで止まっています。
これは、1/2インチの平行ねじという意味。
水道管でよく使われるねじには、
Gで表される管用平行ねじと、
Rで表される管用テーパーねじの2種類があります。
管用テーパーねじとは、
ねじ先は細く直径が徐々に太くなるねじで、
おねじ側にシールテープを巻いて
適正なトルクで締め上げるとことで密閉・密着性が高まるタイプ。
絶対に漏れてほしくない管の工事では主役となるねじ形状で、
地中に埋設されるなど後からのメンテが困難な場所ではこれ。
管用平行ねじは、
ねじ全長で直径が変わらないねじ。
ねじそのものを締めても単に管と管が接続されるだけ(機械的接合)なので、
ねじがつきあたる部分にパッキンを挟むことで密閉性を得る。
施工は比較的簡単で、
水栓の接続部やシャワーヘッドの接続部などに使われる。
パッキンはゴム(やそれに近い)素材で消耗品なので、
容易に交換ができる場所でのみ使われる。
管用テーパーおねじは「R」で、
これに対応するめねじは、Rc(テーパー)・Rs(ストレート)の2つ。
管用平行おねじは「G」で、これに対応するめねじは「G」のみ。
この他に、給水栓ねじ「PJ」もある。
Gめねじに対応しているほか、シールテープを巻いてRc・Rsめねじにも対応。
(Gおねじの上位互換のイメージ?)
もともとの水栓が適切に工事されていれば、
水栓を交換するのにあまり問題はありませんが、
水栓(ワンホール混合栓ならたいていG1/2の平行ねじ)の
相手方である止水栓がテーパーねじだった場合は少々厄介。
ナビッシュの仕組み
ナビッシュ本体の根元からは、
管が4本、センサーのコードが2本出てます。
ちょっと仕組みが複雑だったので、
それぞれの部分・部品の機能を理解したくて調べました。
混合温水の経路
止水栓を出た湯は、逆止弁ソケット→給湯ホースを通って本体へ(①)
止水栓を出た水は、給水バルブの分岐金具(→逆止弁ソケットASSY:寒冷地仕様の場合)→給水ホースを通って本体へ(②)
水・湯は、本体のレバーハンドルで混合・流量の調整を受ける。
混合された温水が吐出管を通って、再度カウンター下に降りてメインバルブへ(③)センサーが反応しメインバルブの電磁弁が開くと、ホースを通って温水が吐出される(⑤)
エコセンサー吐水の経路
止水栓を出た水は、分岐金具で給水バルブへ入る。
電磁弁が開くと、バルブ間チューブを通ってメインバルブへ(④)
温度調整をバイパスするので湯は使用されず、給湯器が作動しない。
(浄水モデルではこのチューブが浄水カートリッジを経由する)メインバルブ経由でホースを通って水が吐出される(⑤)
準備したもの
事前にネット動画を観たり、施工説明書を読んで、
交換作業に必要な道具・材料を準備しました。
新しい水栓
縦金締め(ナット締め付け工具) 旧水栓・新水栓それぞれ
モーターレンチ、モンキーレンチ
雑巾、バケツ
パッキン ※使いませんでした
新しい水栓
縦金締め(ナット締付け工具)
下面施工の水栓は、
シンクのデッキ部分の裏、非常に狭い場所でナットで固定されていて、
普通のレンチでは作業が困難で、専用工具を準備するのが無難。
(水栓の脱着以外に使うことがないのですが仕方なし)
メーカー・水栓によってナットのサイズが異なるので、
事前に確認しておく必要があります。
旧水栓(タカギ)取り外し用:対辺38mm
新水栓取り付け用:対辺24mm
(クルマのソケットレンチが流用できるかと思ったのですが、ホイールナットのサイズは17mm・19mm・21mmが普通らしくダメ)
いろんなサイズに使えるものもありますが、
お値段お高め&使い方に癖がありそうなのでパス。
モーターレンチ、モンキーレンチ
モーターレンチを一丁購入しました。
管の接続部でナットを回す(固定する)用途で使われる道具にもいろいろあり、
電気工事士の実技試験でも使ったウォーターポンププライヤーは、
つかむ部分のギザギザでナット表面の化粧を傷つけてしまう。
水栓まわりでよく使われるのは、手前と向こうで挟み込む形状の
モーターレンチらしい。
23mmを挟めるモンキーレンチが手持ちにあればそれでOK。
ソケットレンチやメガネレンチではダメ。
レンチを2丁使って、
1丁は一方のナットを固定して、
もう1丁は相手方のナットを締める・緩める、という作業になります。
雑巾・バケツ
全自動洗濯機のホース脱着を経験した方はご存知でしょうが。
接続部を外すと管内の水があふれ出てくるので、これを受けるために必要。
パッキン
(購入した水栓に装着してあったので、準備したけど使いませんでした)
水栓(の逆止弁)と止水栓との接続部(G1/2)に使うパッキンで、
フレキ用とかシャワー用とか書いてあるのを選びました。
ねじはインチ表示(1/2)なのに、
パッキンはミリメートル表示なので迷いましたが、
呼び13のパッキンが適正サイズ。
ざっくり分けると、
水はゴム
お湯はノンアスパッキン(=シートパッキン、耐熱性あり)
という使い分け。(実際は水も湯もノンアス、というパターンも多い?)
ゴムパッキンの方が柔軟なので接触部に多少の凹凸があっても漏れにくい。ゴム製は、材質がニトリルゴム(NBR)よりも、
EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)のほうが劣化しにくい。
お湯側で使う、シートパッキンは、
かつてアスベストを使っていた経緯があり、
現在はノンアスパッキンと呼ばれることが多い。
(水側で使うゴムパッキンがアスベスト入りということではない)
作業準備
① シンク下の物を避ける
シンクの下に入って作業をするので、
収納されている中身をすべて取り除いて引き出しを外しておきます。
部品や工具を置いても傷つかないように、
毛布や段ボールで床面を養生できればベスト。
② 止水栓を止める
水栓には、給水側からの水圧が常にかかっていますから、
万一上流を止めずに接続を外してしまうと、
水が噴き出してまわりは水浸しです。
システムキッチンや床・スラブに
深刻なダメージを与えるおそれがありますし、
集合住宅では自分の家だけの問題ではなくなります。
シンク下の止水栓を、水・湯とも止めました。
ハンドルで開閉するタイプでした。
(マイナスドライバーで止めるタイプもある)
万一止水栓にトラブルが生じたときのために、
自宅すべての水道を止める元栓の位置も確認しておきました。
(万全を期したい方は元栓も止めておけばより安全)
水栓のレバーを上げて水も湯も出ないことを確認しました。
水栓のレバーは上げたままにしておきます。
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