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8年間で4つの一軒家に住んで思ったこと その1

今から8年前の春、付き合っていた彼と結婚を決め、戸建て住宅を借りることにしました。それから引越しを重ね4軒の一軒家に住み、この春、自分たちで建てたマイホームに引っ越しました。

戸建て賃貸の多くは誰かが建てて、何らかの理由で住まなくなり貸し出している一軒家です。

なぜ一軒家を賃貸していたのか?

いちばんの理由は、私も夫も趣味が楽器の演奏だったからです。仕事帰りにカラオケボックスや公民館を借りて練習する…という選択肢も考えましたが、毎日行くことを考えると面倒な上に費用もかさむので早々に却下となりました。

一軒家の中には最初から楽器演奏NGと表記されている物件もあるのですが、多くの場合は「常識的な範囲で。近所迷惑にならなければOK」でした。内見の時には必ず不動産会社の人に楽器が…と話をするのですが、我が家の場合は弦楽器と木管楽器の組み合わせだったこともあり、なんというか不動産会社の人に静かな楽器だと勘違いされているような気すらしました。私たち夫婦の方が「夜中じゃなくても意外とうるさいですよ…」とよく申告していた覚えが。

最初の家はキレイな「2年間の定期借家」だった

定期借家は、単身赴任などで住まなくなる数年間を賃貸に充てる、というものです。決められた期間が来たら必ず引越ししなければなりません。

最初に借りた家は、駅近で築浅のキレイな一軒家でした。住宅地自体がおそらくこの家が建てられた頃にできた街で、整った美しい街並みでした。夜になると近所のおうちのソーラーライトがいっせいに灯るのも美しかったです。

なぜ2年間の定期借家を借りたのか?

理由1 このおうちの家主さんが値下げ交渉に応じてくれたから

実はこのおうち、ちょうど前の借主さんが中途半端な時期に引っ越してしまったらしく、数ヶ月借主がいなくて困っていた物件だったそうです。ラッキーが重なって住むことになりました。

理由2 当時は20代の新婚カップルだったので、2年住んでいる間にこどもができたりして引っ越すんじゃない?と浅く考えていた

家を借りた地域は私たち夫婦の仕事の中間地点で、職場までお互い1時間くらいかかる場所でした。とりあえずここに借りてみたは良いけれど、今後もずっとそうなの…?という思いがありました。

そして迎えた最初の家での生活は、1年2ヶ月続きました。

記憶が正しければ、このおうちは2006年築。断然、おうちの性能が良かったです。
まず、冷暖房の効きが良かったです。

もちろん、夏は暑いし冬は寒いです。
でも後になって思えば、いくら冷暖房をつけても暖まらないとか、いつまで経っても温水が出てこないとか、そういうことが無かった…
あとシンクの下が引き出し式の収納になっている、新しいタイプのシステムキッチンだったのも良かったです。収納を買わなくて済みました。

防音もその後に借りた一軒家と比べると一番良かったと思います。
もちろん音漏れはするのですが、古いおうちだと家の外を歩いているだけで丸聞こえなので、それよりはマシな程度。とりあえずどこの家から聞こえてくるかあからさまに分かるレベルからは脱していたように記憶しています。

そんな最初のおうちからの引っ越しを決意した理由は、長男を授かり長めの育児休暇を取得したからでした。お互い片道1時間の通勤に別れを告げるため、夫の職場の近くの一軒家を賃貸することになります。

2軒目は、バブルが弾ける前頃に建てられたおうちだった

記憶が正しければ2軒目のおうちは平成元年に建てられた家でした。
この頃に建てられたおうちを内見すると、決まってついているのがシャンデリア風のちょっと洒落た照明です。私の実家にもついていました。つまりですね、豪邸じゃなくても田舎の一軒家には大抵ついているのです。
この照明は重いガラスでできているのがお約束。地震が起きて落ちたら…もしある日何かの都合で落ちてきたら…と思うと恐怖でしかない。ちなみにこの家ではありませんでしたが、次に住んだ家では朝起きたら重い照明が天井から落ちてぶらんぶらんしていたことがあります。おそらく賃貸前に壁紙を貼り直した時にちゃんと固定をしなかったのでしょう。人が居ない時間帯に落ちたので無傷でしたが、本当その辺りはしっかりして頂きたいです…

おうちの間取りは1階に8畳の和室と縁側があり、ここを寝室にすることで全ての生活を1階で完結できるので、生まれて間もない長男を育てるには絶好の間取りでした。

築年数はおよそ30年。直前に住んでいた家が新しかったこともあり、すっかりガタが来ているように思えました。
雨戸はすぐに引っかかるので滑りやすくするために定期的にKUREのスプレーが必要でしたし、照明がある日とつぜん点かなくなったり、凍結によって漏水してしまったことも。さらにここは某王手の不動産会社を通じて借りたのですが、管理している下請け?の不動産会社の対応が遅く、あれいつになったら前に言っていたパイプに凍結防止の巻き物をやりに来るの…?漏水分のお金はいつになったら決着つくの…?といったトラブルもありました。今となっては思い出のひとつですが、不動産会社って大切だなと学習しました。

家自体は家主さんのこだわりが随所に見られました。おそらく家主さんは本が好きな方なのでしょう。家中の至る所に作りつけの「ちょっとした本棚」がありましたし、2階には書斎が作られていました。キッチンにも読み書きできるようなちょっとしたデスクがありましたので、奥様も本好きなのかもしれません。家主さんに会ったことはないので憶測ですが。

本棚は私も重宝させて頂きましたが、キッチンカウンターが高めだったのは小柄な私にとっては辛いポイントでした…
あと、キッチンが広々としている代わりに脱衣所が狭くて暗かったのも難点でした。おそらく当時ギリギリで洗濯機が入るように設計したのでしょう。30年の時を経て洗濯機の奥行きは増したらしく、ドアが完全に閉まらない状態で使う羽目になりました。地味に不便…
さらに洗濯機が置いてある場所は1日中暗かったので、おそらく洗濯槽にはカビが生えまくっていたことでしょう。洗濯物はよく乾く家だったのと、私自身が匂いに鈍感な方なので正直あまり困りはしなかったのですが…

悪かった点を他に挙げるとしたら、実は住み始めて少し経った頃に近所の人から聞いたのですが、このおうちは以前泥棒に入られたことがあったのだそう…
泥棒が入った時に住んでいたのも賃貸で借りていた人だったとか、たまたま現金が置いてあったとか、泥棒が入ってきた場所がどこで、逃げたルートがどことか、ご近所さんネットワークで教えていただきました。ちなみに不動産会社はそんなこと一言も言っていませんでした。告知義務とか無いのかな。

ご近所さんはとても良い方でした。このおうちもおそらく周囲に同時期に家を建てた方が多い住宅地だったのでしょう。全体的にアラ還からそれ以上…ご高齢の方が多い印象でした。私が昼間に吹いている楽器の音は筒抜けだったらしく、回覧板を持ってきてくれるご婦人に「クラシックの曲を練習していらっしゃるのね。私、大好きなの!どんどん吹いてね!」と声を掛けられたことがあります。ありがたや…

あと、押入れに入れていた楽譜や荷物に少しカビが生えてしまい、慌てて荷物を移動させたことも。前の家の押入れはそんなこと一度も無かったので、築年数が経過した家の押入れに大事な物を入れておくのは危険と学びました。次の家はとにかくカビが生える家だったので、この学びは大きかった。

つづく

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