Physical_Birth_House_-ママ療法士出産体験記-_Vol

理学療法士の出産体験記3~妊娠中の壮絶な安静生活~

Physical Birth House-ママ療法士出産体験記-

今回のゲストは、はちさんです!

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出産体験記を話していただく当事者(ゲスト)の方には★がつきます。

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めぐ)今回ははちさんをお迎えして、はちさんの2人目の出産に関して色々と伺いたいと思います。
はちさんは作業療法士で、訪問看護ステーションに勤務されていらっしゃいます。


ゆみっぺ、ささまや、カナ)はちさん、よろしくお願いします!

★はち)
よろしくお願いします。
お声をかけていただき嬉しいです!

めぐ)はちさんには事前にマタニティ戦記、
通称【マタ戦記】アンケートにお答えいただいております。


ささまや、カナ、ゆみっぺ)出た、マタ戦記(笑)



パーソナルデータ


パーソナルデータ
                         名前:はち
出産時の年齢:34
出産回数:2回目
分娩週数:38週
お子さまの出生体重:3300g
妊娠前からある不調:肩こり
妊娠中のトラブル:悪阻、切迫流産、切迫早産、腰痛、恥骨痛、貧血、便秘、不眠
出産方法:無痛分娩
産後のトラブル:とにかく体が硬い。特に脊柱回旋がほぼできなかった。布団を4枚くらい敷かないと腰が痛くて眠れない、それが3か月続いた。



切迫流産、休職・・


めぐ)妊娠中はほぼ寝たきりだったとのことですが大変でしたね。
妊娠中の身体状況はどういった感じでしたか?


★はち)
寝たきりでしたね。。本当に大変でした。
妊娠初期の8週あたりから出血もあって切迫流産の診断が。
休職しホルモン剤を飲みながら過ごしていました。
繋留流産の可能性と、搔爬の手術の説明もされてボロボロ泣いていました。
今思えば、流産決定でなくまだ可能性がある時期にこんな話しはデリカシーないですよね。。


ささまや)それは…精神的にきついですね。


★はち)
流産はよくあること、と心の準備を促してくれていたのかもしれません。
自分がコントロール出来ることではないんだということを少しずつ受け入れていた時期でもありました。
結局、胎児も無事成長し16週から仕事復帰しました。


めぐ)予期せぬ安静と精神的にも大変でしたね。
その後、お仕事はどういった形で続けられましたか?


★はち)
私は訪看の療法士です。
職場に相談し、切迫の既往を考慮してもらえました。
仕事は事務作業メイン、時々他のスタッフのフォローで1日1件程度訪問に調整しました。


めぐ)職場が柔軟に対応してくれたんですね。


★はち)
だんだんお腹が大きくなるにつれて、お腹の横あたりがビキーッとつるような痛みが走って大変でしたね。
靭帯かなぁと言われていたけどあれはなんだったんだろう。
ピキーじゃなくビキーなんですよ(笑 
経験された方いますか?


カナ)お腹の横あたりのビキーって気になりますよね。
ピキが神経痛だとしたら、そういう痛みではなかったってことですよね。
子宮の増大に伴う靭帯の痛みは、鼠径部の訴え(子宮円索)が多いですけど「横」となると靭帯でもないような気がしますね。
仙骨子宮靭帯は仙骨側ですし、気になりますね。


★はち)
22週になり仕事中に規則的に張るようになって。
心配だから仕事中に中抜けして受診したら、張りも確認されて頸管の長さが1.9センチ。入院!と言われました。。。
上の子もいるし旦那は出張中で入院は無理だったので休職し、ウテメリンを1日4回飲む変わりに入院回避しました。

お腹も大きくなり始めたので仰向けが苦しいし張る。
横向きはお腹が下がる感じがして、お腹の下にタオルかクッション挟まないと気持ち悪い感じ。
シムスはお腹が圧迫されて逆にきつい。


めぐ)妊婦さんは横になるのにも気を遣うし、一苦労ですね。


★はち)
とうとうフラットなベッドや布団で寝れなくなって、8ヶ月あたりからずっとソファーで寝てたんです。
そのソファーが割と大きくて座り心地が固くて、座面が坐骨の方に下がるようになってる。

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わかるかなー?

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ゆみっぺ、カナ、ささまや)イラストが緩い(笑)


★はち)
えっ、そのまま使うのはちょっと恥ずかしいですよ~。。。


めぐ)このまま即採用!笑 
はちさん、続きをどうぞ。


★はち)
あの絵で伝わるのか・・・。
座面の傾きが丁度大きなお腹を支えてくれてめちゃフィット!
でも、3カ月これで過ごしたものだから産後は身体バキバキで痛い。
床になんて5秒も寝れなかったです。
腰椎伸展が強くなって、仙腸関節がめちゃくちゃ違和感ありました。


ささまや)妊娠中の姿勢としては、腰椎過伸展のタイプだったんですか?
妊娠前の姿勢や既往歴も気になります!
もともと体の硬さはありましたか?


★はち)
非妊娠時も妊娠中も腰椎過伸展タイプです。
でも前屈み姿勢で肩凝りもひどい。
ハムの硬さはありましたが、他はそこまで指摘されなかったかも。


ささまや)腰椎伸展してるのに前屈みはめちゃくちゃ辛いですね。


めぐ)体痛い、安静、でも上の子がいる。そして旦那さん出張中。
生活のイメージが全くできないです。。。


★はち)
義母実母夫をコキ使い、シルバー人材センターやベビーシッターさんをフル活用。家事も食洗機やルンバに任せ。
かろうじてしていたのは、最低限の料理と保育園の送り迎えだけ。
22週から38週までソファーで左側臥位ですごしてたんです笑


カナ)左側臥位のソファーとてもわかります。
たぶん妊娠中の寝姿勢としてはお腹も支えられてベストですよね、それ!と私は思ってます。


★はち)
さらに、会社で一人目の妊婦だったので、傷病手当や出産手当金、産前産後の社保免除申請や育休の給付金は自分で調べて、事務さんにソファーから電話して指示出していました。


めぐ)私も今会社で上司にかけ合って妊娠出産マニュアル作ってます。
上司に何を気遣ってほしいのかとか、経理とどんな助成制度や給付金があるかとか・・。
職場で初って色々大変ですよね。


ささまや)これ2人目妊娠前に読んでたら、産むの躊躇してたレベル…。


ゆみっぺ)同じ寝姿勢しか取れなくなるっていう妊婦さんは多いんでしょうか?
私は臨月頃になると、左に向いたときに胃がムカムカして吐きそうになっていたので、右向きばかりになってました。


カナ)同じ寝姿勢しか取れない方と、左側臥位じゃないとダメだと思い込んでる方がいらっしゃいますね。
**妊婦さんによってこっちがラクって思う側があるので、基本的にはそれでいいって思います。 **
普通に考えると、やっぱり寝返りをうったりどっちも向いたりっていうのが体にとっては自然で無理がないとは思うのです。
胎児の入っている方向とかもありそうな気がするので、ご本人の感覚が一番正しいような気がします。


めぐ)なるほど。
確かに、妊娠中は仰臥位低血圧症候群のリスク回避として、左側臥位は有効と言われていますが、常に左側臥位でなければいけないとか、右側臥位はいけないということではないですもんね。


ささまや)赤ちゃんが大きくなった時に腹斜筋が弱すぎたりすると、お腹が落ちてくる感覚が強かったりするのでしょうか?


★はち)
腹斜筋は非妊娠時もめっちゃ弱かったです!
そして寝ると割と肋骨が浮くので、腹筋は総じてあまり使えてない感じですね。


カナ)もしかして、はちさん胸郭硬いタイプですか?
赤ちゃん大きくなった時にお腹が落ちる感じは
・腹横筋が弱いか使えていない方
・胸郭が硬い方

に起こる印象があります。(臨床感覚ですが)

本来はお腹が大きくなるにつれて胸郭が広がってお腹の容積を確保します。
しかし、広背筋やら前鋸筋やら腸肋筋やら硬くて胸郭がうまく広がれないと、お腹が増大するしかなくなります。
そこに腹横筋が弱いと、お腹の重心が下前方に行く感じになります。

これもかなりの臨床感覚ですが、切迫早産の方って
お腹が下前方に大きく出てる方が多いような気がします。


★はち、めぐ)
ほーーーーー!!


ささまや)なるほど、胸郭が硬いから上に行けない。
でも下にも支えるものがない人は多そうですね。
妊娠時には腹斜筋よりも腹横筋の強さなんですね。
私は元々スポーツ習慣があって、
一人目の産後も週1で2-3時間動いてたので、
腹筋強い自信があります。
臨月でもどっちにも寝れたし、
仰向けも短時間なら余裕でした。


★はち)
なるほど!
第一子妊娠前まで喫煙していたことも関係ありますか?
職場のスタッフ同士で呼吸介助の練習していたら、
ダントツで私の胸郭は硬いと評価されていました。
妊娠前に運動習慣はゼロでした!笑


めぐ)喫煙歴!
胸郭や呼吸に対する影響はありそうですね。
それが現在どこまで影響が及んでいるかも気になるところですが・・。

はちさんに妊娠中の壮絶なエピソードをお聞きしました。
出産については次回をお楽しみに!!

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*ウィメンズヘルス初学者のための語学講座*

文章内にあった言葉を簡単に説明しています。
学びの第一歩にしていただければ幸いです。

切迫流産(セッパクリュウザン):胎児が子宮内にとどまっており、言葉通り流産が迫っている状態のことを指す。妊娠継続の可能性が残されている状態。妊娠初期に出血があった場合に疑われる。
繋(稽)留流産(ケイリュウリュウザン):腹痛や出血など流産の兆候がないのにもかかわらず、胎児の心音が確認できず流産と認められるもの
搔爬(ソウハ):体表面の軟組織をかきだすことをいうが、一般的に子宮内にある組織を除去することを指す。流産だけでなく、子宮内膜症など手術の際にも使われる。
子宮円索(シキュウエンサク):子宮円靭帯とも呼ばれる。子宮から大陰唇の結合組織に付着。妊娠時、子宮体部の後屈を防ぐ。
頚管(子宮頚管):子宮の一部。子宮は体部と頸部に分かれており、頸部は子宮体部と子宮口や膣とを繋ぐ。子宮頚管が短くなると、胎児が下がってきたり内子宮口が開いてしまうため、早産の危険性があり安静指示が出ることが多い。                              日本産婦人科学会の周産期委員会の研究では、『計600例の解析結果から,妊娠18~24週の頸管長はトレース法であっても 2 点法であっても,平均約40mm であり,頸管長が30mm 未満である場合には,約5倍37週未満の自然早産となりやすいことが判明した.』とされている。
ウテメリン:妊娠16週以降37週未満の妊婦さんが適応になる薬剤。子宮の収縮を抑える・おなかの張りや下腹部の痛みを和らげて、子宮の状態を正常に保つ・流産や早産の進行を抑える。症状が軽い場合は錠剤、緊急性のある時は注射薬を使用する。
シスム位:左側を下にして、横向き~ややうつぶせに近い形になった肢位。左手は背中の後ろ、左脚も伸ばし、右手右脚は曲げる。抱き枕などを抱えるようにすると姿勢が楽に保ちやすい。妊婦の安楽肢位とされているが、良し悪しはさまざまである。
仰臥位低血圧症候群:妊娠末期に仰臥位になった際、脊柱の右側を上行する下大静脈を圧迫し、右心房への静脈還流量が減少するため、心拍出量が減少し低血圧になる状態。頻脈、悪心・嘔吐、冷汗、顔面蒼白などの症状がおこる。対応としては、仰臥位から左側臥位にし、右心系に血液が戻ってくるようにすることで、症状は速やかに回復する。


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