Physical_Birth_House_-ママ療法士出産体験記-_By_ゆみっぺ__1_

理学療法士の出産体験記1~妊娠前の体の痛みは産後トラブルにつながる!?~

マガジン初投稿!


4人での対談形式で、この名前で進んでいきます。

画像1

出産体験記を話していただく当事者(ゲスト)の方には★がつきます。

マガジン運営の自己紹介はコチラから↓↓


今回のゲストは「ゆみっぺ」さんです!

ゆみっぺさんも運営メンバーの一員なのですが、運営の準備体操がてらインタビュー受けていただきました。



パーソナルデータ

名前:ゆみっぺ
出産時の年齢:28歳
出産回数:初産
分娩週数:39週
お子さまの出生体重:3252g

めぐ)ゆみっぺさんは、現在2児のママ。訪問リハビリセラピストという共通点もあります。ゆみっぺさんのブログは、育児、心理面、コミュニケーション、ママセラピストの働き方、色々な方面で勉強になるんですよ!ぜひ覗いてみてください!↓↓


めぐ)それではゆみっぺさん、よろしくお願いします!


★ゆみっぺ)
よろしくお願いします!みなさんでこねくり回してください(笑)


ささまや)あーだこーだこねくり回しますね!笑


産後の痛みの要因は既往歴から?


めぐ)ゆみっぺさんに事前に色々質問させていただきました。妊娠前~妊娠中~産後の身体のトラブルはこちらだそうです。


画像2


カナ)初産で椎間板ヘルニアもあって、恥骨痛もあって・・だと分娩に不安ありませんでした?


★ゆみっぺ)
実際妊娠中、腰痛の悪化は気にならなくて、臨月の恥骨痛と産後の仙腸関節の痛み(ぎっくり腰)が気になりました。。


カナ)恥骨痛って剪断力(左右の恥骨が上下に擦れる動き)で起こると言われているんですよね。直接的には、①腹筋群の左右差②股関節内転筋群の左右差などから起こりやすいと思います。

画像3

★ゆみっぺ、ささまや、めぐ)ほぉ~。


めぐ)ゆみっぺさん、産後のギックリ腰はどのような感じだったんですか?


★ゆみっぺ)
初回のギックリ腰は左のL5あたりの痛みが中心でしたが、産後は左の仙腸関節部に痛みが移りました。そのあともう1人産んでいるのですが、大きなギックリ腰は5年前が最後。その時に体幹のインナーマッスルの収縮が全然できないことと、股関節伸展筋の筋力が著しく低下していることに気づいて、筋トレや収縮を意識して動くようになってからギックリ腰しなくなりました。


めぐ)すごい!自分で自分の身体に気付けたって素晴らしいです!


カナ)ぎっくり腰を繰り返す方って脊柱起立筋群はタイトめじゃないですか?そうするともしかして、元々ちょっと仙骨がニューテーション気味だったりする気もするけどどうなんだろう・・。


めぐ)そっか!確かに脊柱起立筋群は仙骨の背側面に付着しているから、緊張が強かったりすると、仙骨背側が上に引っ張りあげられてニューテーション気味になるってことですね!


★ゆみっぺ)
カナさんおっしゃる通りで、脊柱起立筋がタイトでハムストリングスも大殿筋も硬いです。そういうことか〜。


めぐ)産後のトラブルは、妊娠前の既往歴や身体の状態も影響してくるんですね。問診はしっかりしておきたいところです!



分娩時間と仙骨の関係性


ささまや)ちなみにゆみっぺさん、分娩時間ってどのくらいでした?


★ゆみっぺ)
32時間ですね。

ささまや、カナ)さっ、32時間!?


めぐ)初産って分娩時間長くかかるって聞きますけど、そんなに長くてしんどいのですね(涙)絶望。。。


カナ)分娩間隔が縮まらないのと、赤ちゃんが降りてこないことに関連があるかはわからないのですが、仙骨がニューテーションしていると赤ちゃんが骨盤内に侵入して来づらいのかなぁ・・


ささまや)さきほどのカナさんの脊柱起立筋と仙骨の関係の話からだと、妊娠前の腰痛保持者はそもそもの仙骨の動きが少ないので分娩時間が長くなりがちという仮説ができますね。腰痛の種類によって違ってきそうです。体幹屈曲で痛みが生じるタイプの人は、屈曲を回避してるはずなので、赤ちゃんが降りてきにくそうな・・。ゆみっぺさんの腰痛はどのポイントででますか?


★ゆみっぺ)
私は前屈位で痛みが出るタイプですね!


ささまや)やはり前屈位タイプでしたか!予感的中!
産後にL5の痛みがなくなって、仙腸関節に痛みが変わったのも気になりますね。妊娠で腰痛を改善できるパターンもあるのかも・・。妊婦の脊柱、骨盤アライメントって人それぞれで一貫性はないんですよね。腰痛を脊柱アライメントで群分けして分娩時間とか産後トラブルを関連付けた文献ないかなー。(ごそごそ


カナ)ささまやさんがいう、分娩時間とアライメントや筋の硬さとの関係、、気になる!


めぐ)今後このPhysical Birth Houseのインタビューでも聞いていきましょう!それでまたシェアできれば出していきましょう!^^



尿漏れと股関節外旋筋の関係性?


めぐ)そういえばゆみっぺさん、産後の尿漏れも1年くらい悩まれていたんですよね?


★ゆみっぺ)
そうなんです。坂道を下っただけで尿漏れが起きて、自宅に引き返すこともありました。


めぐ)リアルだ・・(出産経験なし)


カナ)ゆみっぺさん、もしかして股関節の外旋筋も硬いのでは?内閉鎖筋と腸骨尾骨筋ってダイレクトにくっついているので、内閉鎖筋が硬いと骨盤底筋群の働きには影響することも多いんですよね。しかも産後でインナーマッスル使えていなかったとしたら骨盤底筋群はユニットとして一緒に動くことを考えると、更に働きづらくて尿漏れの要因にもなりそうな気がします。そして、インナーマッスルが弱いと腰部にも負担がかかるので、腰痛の要因にもなってきそうじゃないですか?


★ゆみっぺ)
めちゃ腹落ちしました!おっしゃる通り、外旋筋硬いです。冒頭で話していた恥骨痛とも関係してくるのでしょうか?


カナ)恥骨痛に関しては冒頭に話した剪断力の影響ですが、インナーマッスルも機能低下している時期で、恥骨結合周囲の支えも弱いですし、外旋筋群に左右差があったりした場合、間接的に恥骨部へ影響してくるかもしれませんね!


めぐ)ゆみっぺさん、股関節や外旋筋の左右差ってあるんですか?


★ゆみっぺ)
左右差あります!左の方が硬い!ここで話していて改めて痛感!産後の仙腸関節痛も左だし、色々繋がってきました!



ソフロロジー法をPT目線で


めぐ)ゆみっぺさん、産婦人科や分娩の際の特徴はありましたか?


★ゆみっぺ)
1人目を出産した病院ではソフロロジー法を推奨していて、指導されていました。分娩の時は尾骨を持ち上げながら、深く長い呼気というような指導だったと思います。そういう指導だったので、陣痛が来たときは呼気と骨盤後傾を意識しました。


ささまや)私もソフロロジーで出産しました!音楽に合わせて深い呼吸をする!って習いましたが、骨盤の動きなど解剖学的なことは教わっていませんね。ただ、陣痛中はなるべく脱力意識を指導され、痛みで力み腰椎伸展すると怒られてました(笑)助産師さんからの指導を自分なりに解釈して、つま先を外に向け股関節外旋、できるだけ脱力、腰部伸筋群を収縮させずに骨盤後傾させることを意識してましたね。結果、子宮口6cmから40分で出産でした。


めぐ)ささまやさんの出産体験記も気になる・・!あとでちゃんと記事にしましょう。分娩の際、骨盤を後傾させるほうが良い理由はなにかあるのでしょうか?


カナ)運動学的には骨盤後傾位が良いというより、仙腸関節の動きが出たほうが良い印象はありますね~。赤ちゃんが骨盤内に入ってくるときは、骨盤の上部が開いて(仙骨が起き上がる動き+腸骨陵が開く)入ってくるんですよね。そのあと、いざ出てくる!ってなった時には逆に骨盤の下部が開く(仙骨のうなづき運動+坐骨結節間が開く)ので、仙腸関節部分がちゃんと動いていた方がスムーズかなと感じます^^


めぐ)わかった気がするのですが、図にするとこんな感じですかね。

左:右腸骨を取り除き矢状面からみた骨盤
右:正面から見た骨盤

矢印は骨が動く方向
風船は赤ちゃんのあたまをイメージ


赤ちゃんが骨盤内に入ってくるときは・・

画像4

赤ちゃんが骨盤内に入ったのち、いざ出てくるってときは・・

画像5

めぐ)仙腸関節って動く動かない論争があったり、動いたとしてもほんの数ミリって言われたりしますが、分娩の時にはその微細な動きも大切になってくるんですね!!


ささまや)骨盤にアプローチをするのは、妊娠中は腰椎の可動性が低下して運動感覚が鈍くなっているので、骨盤からアプローチする方がわかりやすそうですよね。


カナ)骨盤後傾して脊柱を伸展させると、腹横筋も入りやすくなるので、自然ないきみで出産できそう。腰部筋群が収縮すると、仙骨がニューテーション方向に引っ張られて、赤ちゃん降りてきづらくなりそうな気もしますね。


めぐ)先ほどの、脊柱起立筋のタイトとも繋がってきますね!ソフロロジ―法と骨盤の関係は専門家に聞かないと確からしい答えは出てこなさそうですね。このマガジン見てくださった助産師さんや産婦人科医師さんでソフロロジ―法について語ってくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひコメント待ってます!


終わりに


めぐ)ゆみっぺさん、今回のインタビューでの気づいたことや、感想はありますか?


★ゆみっぺ)
皆さんの意見から考えると、

・椎間板ヘルニアによるアライメント変化、L5S1椎間狭小で仙骨ニューテーション、可動域が少ない状態。もしかしたら、胎児が骨盤侵入しにくかったのかも?

・産後はホルモンの影響で緩みが出たものの、外旋筋群の硬さやインナーマッスルの機能低下により仙腸関節のずれが頻回に起こり、尿漏れが長引いた。

ということであっていますか!?


カナ)無きにしもあらずです^^


めぐ)今回の仮説をもとに今後ゆみっぺさんが行うエクササイズといえば、ずばり股関節外旋筋のストレッチ!このエクササイズを継続して腰痛がより軽減できたら、今回の仮説が確からしいことがわかりますね^^


★ゆみっぺ)
ぜひやってみようと思います。そしてまた共有させてください。皆さんの意見を聞いて自分の考えも整理できて自分でも言葉にできて良かったです。ウィメンズヘルス系の知識は乏しいので大変勉強になりました!育児で生活を回すのに必死で自分の身体のことは後回しでした。あの頃の私に教えてやりたい!!
産前産後の身体の変化に意識を向けて、解剖学や運動学と紐づけることでこんなにも学びがあるのかと思いました。若い時から自分の身体にも丁寧に向き合っていけると良いですね。本当にありがとうございました!


めぐ)こちらこそ!教科書開きまくって会話した甲斐がありました(笑)


ささまや)え、めぐさん????実はわたしも!(笑)


カナ)私も普段の臨床感覚が活かせて良かったです!


めぐ)それでは、ゆみっぺさんの出産体験記、この辺で終わりにします!皆さま、何か伝えておきたいことあります?


ささまや)インフルエンザ流行中!ぜひご一読ください。


---------------------------------------------------

編集後記


めぐ)ちなみに、、股関節外旋筋以外に必要なエクササイズを挙げるとしたらなんでしょうか?


カナ)インナーマッスルと股関節伸展筋の筋トレは既に行われているんですもんね?それは継続していただいて、骨盤後傾をニュートラルにするような感じでハムストリングス、大殿筋のストレッチや、座るときに骨盤後傾しないような工夫でしょうか?


めぐ)筋トレだけじゃなく、普段の生活動作や姿勢指導ってめちゃくちゃ大事だなーと思います。筋トレする時間より日常行っている動作の方がより頻度は多いですもんね。


ささまや)直接見ていないのでなんともいえませんが、私もハムストリングスのストレッチ。あとは、広背筋のストレッチ、筋トレかなーと思いました。今もお仕事されてて、トランスファーが受傷機転なら、その辺りで使うところを鍛えていく感じでしょうか・・。


めぐ)たしかに!!痛みが発生したタイミングを紐解いていってケアすることも大事ですね。


★ゆみっぺ)
ハムストリングス・・・。私の超硬い前屈をお披露目したい(笑)


カナ、ささまや、めぐ)え、気になる。


★ゆみっぺ)
い、いくよ?

画像6

ささまや、めぐ)ゆみっぺさあああああん!(笑)


めぐ)ハムストリングス硬い。


ささまや)下腿三頭筋も硬そう。


カナ)ゆみっぺさんかわいい(笑)すでに股関節が外旋位。


★ゆみっぺ)
精進します!


めぐ)次回のPhysical Birth Houseもお楽しみに!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?