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③年度末に考える、永遠のテーマ

3学期が始まった。
今年は音楽科の授業は色々制限された1年だった。
来年度も似たような感じになるんだろうか。。

毎年この時期になると考えることがある。
一つは、義務教育を今年で終える中3の子たちに、音楽たのしかったなぁ、と思ってもらえただろうか、ということだ。

中には嫌いでたまらない子もいただろう。生理的に私を受け付けない人、生理的に音楽の授業を受け付けないもいるだろう。ちょうどいい塩梅のところで授業をするように心がけてはいるが、シャッターを降ろしている子の窓を開けるのはなかなか難しい。授業数が少ない音楽や芸術系の科目は尚更だと思っている。

逆に楽しかったと思ってくれる子もいるかもしれない。けど、そんなに楽しいことやってないからなぁ。。

もう一つ考えることは、私の授業は果たして身になっただろうか、ということ。

この自粛期間に真っ先にいらないよ、となったのが芸術分野。別に音楽なんかなくても生きていける。けどなぜ義務教育に音楽があるのか?音楽の授業あるのとないのとでは、生活の豊かさ?も違う気がする。そういう豊かさ?に役立ってもらいたいなー、とざっくりだが、おもう。

ちょっと違うが、大人になった時に「ああ、音楽の授業もっとまじめに受けとけばよかったなぁ」という後悔をする人は多いのではないだろうか。音楽に限らず、だが、学校でもっと勉強ちゃんとしとけばよかった、と思う人は多いんじゃないかと思う。
生徒たちには、音楽の思い出=嫌な思い出にならないように、と思いながら授業をしている。

なかなか難しい。答えがみつからない。

私の勤めている中学校はちょっとだけ進学校なので、他の教科の先生たちからの扱いも「音楽なんかやらなくていい、5教科5教科!」というかんじ。
言葉としてそんな事を先生たちが言っている訳ではないが、それは生徒にも伝わっているような気がする。学年が上がれば上がるほどやりにくい。

私は、たかが音楽、されど音楽、だと思っている。
なんだかんだ言って5教科のことも絡んでくるのが音楽ではないか、と思っている。
数学的な考えが必要な時。英語の歌詞を読んだり、日本歌曲は古典の活用形が役に立つことがある。歴史を理解して楽曲を聴くと印象が変わることもある。音が鳴る仕組みや倍音の順番は理科っぽい考え方が有れば理解できると思う。倍音なんか中学校ではやらないけど。


そんなこと、週一回の授業じゃわたしは伝えられないよ。
どうやれば魅力的な授業ができるのだろうか。。

ここ数年の私の中での授業のテーマは「少しでも楽譜が読めるように」だった。
音楽を楽しい、と思うにはある程度の基礎知識も必要。少しつまらない時間が多くてもその時間をしっかり取ろうと思ってやってきた。

結果は、一生懸命教えても楽譜読めない子は読めない。。先天性的に読めない子ならまだしも、受験で受かっているのだから、多分、個人個人丁寧に見たらできるのだけど、そんな時間取れない。

というか、そもそも読もうとしない。
もう楽譜を読む、とかいうことは音楽教室にでも行かない限り無理なのか。。
だとしたら、学校の音楽の授業でできることはなんなのか。。。

今年は実技があまり出来ない代わりに、生徒に好きな曲を書いてもらって、授業の終わりに時々、ランダムにその中から曲を流すようにしていた。
50分の授業の内、最後の5分の時間である。
45分寝ている子もその時間はバチバチに起きるのだ。
最後の5分。楽しそうに聴いているのだ。
アーティストの力はすごいというか、なんというか。。
その反面、45分一生懸命叫んでも寝ている子がいる、私の授業って一体。。
と思うとなんだかやるせない、というか、切ないというか、情けないというか、、
とんでもなく自信を無くすのである。
そもそもそんなに自信満々で授業している訳ではないけど。。。

今年の中3生も、一人でも音楽の授業は嫌で嫌でたまらなかった、という人が減っていたらいいのだけれど。。
来年度からは少し目標を変えてみようと思っている。
なんだろう。楽しさ重視?でもやっぱり、感覚で楽しいと思う授業を50分、てのは小学校が限界?出来て中1?多感なお年頃は身体表現も恥ずかしくてやらなくなるし。と思ったり。生徒が好きな曲ばかり、となるとカラオケと変わらない。
難しい。
もし、音楽の授業で楽しかったことや、印象に残っていることなど、思い出せる方がいれば教えて欲しいなと思います。




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