移住者ドキュメントの補足

まはさんが記事を書いてくれたんですよ。
先輩移住者ドキュメント(リンク)
60代でまさかの移住。リノベーションした古民家で心の診療所を開業

まはさんはプロですね。私へのインタビューを文献まで引用して上手に書いてくれました。まはさんから追加の質問もあったので、少し補足します。

移住タイプ:Iターン/Uターン

私を単体で捉えれば、東京生まれの東京育ちですらIターンです。
私と父親の二世代を繋げれば、群馬(四万温泉)→東京→群馬(高山村)というUターンになります。

薬を使わないのは「家族療法」の特徴? 
それとも田村先生の診療の特徴でしょうか?

家族療法の特徴です。
大学を退職して個人開業した広尾(西麻布)と、移住した高山村での診療は薬を一切使いません。
でも、週3回働いている渋川市のいずみ医院と榛名病院では薬を使っています。通常の保険診療では短い時間に多くの患者さんを診療しないと採算が合いませんから。
こころの治療は大きく分けて3種類あります。
1) 薬による治療
日本の大部分の精神科医が行なっている治療です。
体の中(主に脳神経系)に問題があると考え、薬で治そうとします。
私は主に若い人たちの問題(不登校、ひきこもりなど)に関わってきましたが、あまり薬は効かないんですよ。
2) 個人精神療法
個人カウンセリングのことです。今までの生活体験の中で心の傷を負ったり、辛いことがあり、そこから立ち直れなかったり、自信を失ったりするのが原因と考えます。クライエントと治療者の一対一の対話の中で、それらの気持ちを整理します。言葉の治療ですから薬は使いません。日本では主に心理カウンセラーが行っています。アメリカ映画などによく出てくるシーンもこれです。精神分析療法、認知行動療法などがあります。
3) 家族療法
家族や友人など身近な大切な人との関係性の中で問題が生じると考えます。
恋人や家族など親密な人との良い関係は幸福感をもたらし、困難にチャレンジする勇気や自信を与えてくれます。逆に悪い関係は孤独や不安・自信喪失をもたらすことは誰でも経験するところです。家族関係を整理して、家族の力で問題を解決するのが家族療法です。
子どもや思春期は家族の影響が大きいので、家族療法がよく効きます。
あと、夫婦カウンセリングもよく効きます。
薬は使いませんが、人間関係を調整するので時間がかかります。通常の保険診療では十分な時間を確保できないので、自由診療にしました。少々お高くなってしまうのですが、1回の診療に90分かけることができます。

はい、大学では教授をしていました。

こういう地域のイベントは移住者が村の生活に馴染むための大きなきっかけになることも理解できます。

夏祭りの世話人、終わりました。
いやぁ、2週間、毎晩3時間費やするのは大変でしたよ。
練習する中学生の踊り子たちにとって、村の仲間に入るための通過儀礼 (initiation, rite of passage) なんですね。私のような移住者にとっても同じことです。村の人々と時間を共にすることで仲間に入って行くんでしょうね。


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