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嬉しさと怖さと、ほっとした気持ち

2019年以来、約1年半ぶりのボーカル作品"Horoscope feat. Vivien Yap"を発表した。シンガポールの天才SSW、Vivien Yapさんとのコラボ作品だ。自分の作品を出しているレーベルFabtoneが以前日本盤を出していた大好きなアーティストで、コラボのOKが出た時はすごく嬉しかった。とても良い作品が出来て嬉しい。

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実はこの曲の演奏はボーカル含め昨年の6月に録り終わっていたのだけれど、結局リリースまで9ヶ月も掛かってしまった。理由は単純で、出すのが怖かったのだ。

2019年の作品は中村公輔さんという凄腕のエンジニアさんに頼んでいたのだが、色々な理由から今回は依頼しなかった。仕方なく自分でmix(音の編集作業)を進めてみたのだが、迷宮にハマりこんでしまい、9月くらいには作業を投げ出してしまった。

最終的には10月からケロスタのフジキさんという、昔の知人の知人のエンジニアさん※1 と一緒にmix作業を行い、2月にようやく完成した。フジキさんにお願いした理由は、以前お話した際に、とてもいい人だと感じたからだ。自分の作業が滞っているのは技術的な問題だけでなくリリースの不安もあると分かっていたので、いい人と仕事がしたかった。実際一緒にやったら技術も素晴らしい上に、とてもリラックスした雰囲気で作業は順調に進んだ。

10月、12月、2月と3回のmixセッションを行い、最終的にはスタジオで作った綺麗なmixをいつものようにガレージバンドでLo-Fiに劣化させて※2 リリースした。元のmixが整っていたので、劣化させてもバランスが良く、満足する仕上がりになったと思う...が、やはり怖かった。

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昨日リリースされた本作は、Spotifyでアジア9ヶ国のオフィシャルプレイリストに入った(とレーベルの人に言われた)。アジア中の早耳達に聴いて貰えるのはとても嬉しい。知らせを受けた時はとてもはしゃいだ。

でも、もし今の気持ちを一言で表すのなら「ほっとした」が一番正確だろう。コラボのOKを貰った時の嬉しさが色を失う程、この作品をリリースするのは怖かった。色々な国の人たちが気に入ってくれるのなら、この作品はもう心配しなくて良いのだろう。心底ほっとした。

今日は朝から、いつもは飲まないホットコーヒーを飲みながらこの文章を書いている。この作品に関わってくれた全ての人に感謝を。

Tamuraryo
3/13


※1 10年前に一度会ったことがある...程度だったので、初めてスタジオに行った時には「何処で知り合ったんだっけ?」レベルだった

※2 John Fruscianteのソロや90’sオルタナが好きなせいで、綺麗な音だと汚したくなってしまうクセがある

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