皮膚

 今日は全日本鍼灸学会の為に京都に来ています(^^)


朝は4時起きで、梅雨前線も近づき天気もイマイチでヘロヘロでしたが面白いです!


 今回のテーマは「交流する身体の不思議を科学する〜体表から創造される新しい医学〜」という”皮膚”をメインに取り上げた大会です。


鍼灸治療は、体表に現れた変化をとらえて、体表を介して内蔵を含めた全身治療を行うものですから、皮膚を非常に大切にしています。


 今日の中でも一番興味深かったのは、傳田光洋博士(資生堂ライフサイエンス研究センター主任研究員)の表皮に関する特別講演です。


私は、先生の著書「第三の脳〜皮膚から考える命、こころ、世界〜」(朝日出版社)や「皮膚は考える」(岩波科学ライブラリー)を読んでいましたので非常に衝撃を受けていました。


長い間表皮の働きはこれまでは体内外間のバリア機能くらいにしか考えられていなかったが、近年表皮の様々な働きが発見されているという事で、


 例えば、皮膚感覚については、これまで神経が受容して伝導していたと考えられていたが、表皮を構成する細胞のケラチノサイトは、温度・湿度・圧力・光・電気・化学変化などの受容分子を持っていて、実はケラチノサイトの部分から既に皮膚感覚の受容がなされていてそれを神経に伝えて運ばれているようだとか


 それを伺わせるのは、ケラチノサイトを培養したものを空気に暴露したり酸等で刺激をした際に、カルシウムイオンの濃度変化をとらえた動画を見せて頂き、非常に美しい波状に移動したり戻ったり、あるいは分単位の周期的な濃度変化が起きるなど規則的な動きをしていました。


 日本の鍼灸は非常に微細な刺激で、時には皮膚を傷つけずに皮膚に触れるだけや擦るだけ等の刺激でも身体に変化を起こす手法も使いますが、これらの機序を解明してゆく上でも非常に関係あるのではと感じました。


 他にも情動と深い関係を持つのでは?などといった発見もあったりと、これまでの現代医学の限界と言われていた事も、この成果を元に発展させて行けば道が開けるのではないかと思いました。


興味のある方は上記の本をお読みになるといいでしょう(^^)


 また、別な方の講演では、爪白癬に対して灸施術をして成果をあげているお話しを伺い、特にお年寄りには罹患者が多いのでこれまた興味深く拝聴していました。


白癬菌そのものをやっつけるのではなく、新陳代謝促進により菌の侵食よりも先に新しい爪が出てきた結果と思える感じでしたが、それでもかなりきれいになることは確かで、爪のトラブルも減るのではないかと思われました。

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