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ビデオ版『新・舞台照明講座』のご紹介
2022年3月に書籍『新・舞台照明講座』を上梓し、このnoteでもご紹介をいたしましたが、
このたび、その動画バージョンをスタートいたしました。今回はそのご紹介です。
このビデオ版『新・舞台照明講座』では、書籍『新・舞台照明講座』の内容を小さい単元に分割し、約20分ずつの講義形式の動画として配信(有料)を行っています。
動画の内容は、元の書籍の内容にとどまらず、具体的な実例や図解・写真などを
『新・舞台照明講座』発刊
このたび、私の初めての著書
『新・舞台照明講座 光についての理解と考察』
をレクラム社から上梓いたしました。
この本は、題名から明らかなように、舞台照明を学ぶための新しい教科書です。舞台照明の教科書は、これまでにもいくつか発刊されていますが、この『新・舞台照明講座』は、今までの教科書とは少し違う考え方に基づいて作られています。これまでの舞台照明の教科書は、そのどれも、舞台照明が一つの“職業”であ
「アイホールの件」について
松本謙一郎さん呼びかけの「アイホール作戦会議」に出席してきました。
出席して思ったのは:
僕自身を含め、アイホールに「愛着」を持っている人は全国に多く、だから存続を望む声も多く耳にするわけですが、実際この話が「どういう議論」なのかを、正確に把握している人は実は少ないのではないか、ということでした。
上記の会議に出席し、「実はどういう話なのか」ということについて、僕が理解した範囲で、以下、解説を
舞台照明は何をすれば良いのか
舞台作品において、照明はいったい何をすれば良いのでしょうか。この疑問に対して、特に演劇、とりわけ高校演劇やアマチュア演劇のような場で広く信じられている説は「舞台照明はそのシーンの《場所》や《季節》や《天候》や《時刻》を光で説明する」というものです。僕はこの説は必ずしも正しくないと考えていますが、なぜ、この説がこれほど広く信じられているのか、という点には興味があります。
まず、最初の疑問文「舞台作
エピソード2:照明家の主観の成立
前回のエピソード1の最後に、
・照明家は最初は他人の照明の知識だけを持った状態からスタートする
・他人の照明のまねを繰り返す中で、他人から得たはずの知識や技法が、次第に自分のものとして獲得されていく
ということを説明しました。
前回のエピソード:
今回は「まね(=模倣)を重ねて自分のものにする」とはどういう事か、考えてみたいと思います。
その前にまず大前提の確認ですが、照明デザインは「身
エピソード1:照明家の主観の形成
これまでの3回(ないし4回)の話の流れをあらためて見直してみると、最初は照明についての世間話的な話題から始まって、だんだんと照明家の考え方そのものに踏み込んで行き、そして回を重ねるごとにトピックがより根元のほうに、だんだんと下がってきていることにお気づきかもしれません。ここまでのタイトルを見てもそれは明らかです。
第0回「舞台照明の《やりすぎ》問題」
第1回「舞台照明の評価基準」
第2回「照明デ
照明デザインが目指すもの
前回は「舞台照明の評価基準」と題して、一般的に「良い照明」とされるのは、いったいどんな照明なんだろう、ということについて考えました。
前回の記事この前回の記事の中で、「主観的」「客観的」という言葉を何度も使いました。「主観的」な言葉として「好き/嫌い」などを、そして「客観的」な言葉として「良い/悪い」などを例にあげました。そうした具体的な言葉の例によって「主観的」と「客観的」をおおまかに分けては