【ナカノフドー建設】2020.6期-1Q決算

医療、物流など多彩な民間建築が主体の中堅ゼネコン。東南アジアでの高層住宅、工場等に実績。

【経営成績】

画像1

★なんとこのコロナ禍の真っただ中にあり、増収増益している珍しい企業。
★営業利益率は1.6%とかなり薄いが、対前期+0.2ポイント。
★業績予想の進捗率はちょっと厳しいが、一番コロナ禍ダメージの大きかった1Qを増収増益でしのげたことは大きな加点なのではないでしょうか。

画像2

★対前期で最終利益はダウン。理由は以下の通り。
★補助金収入が+107milあったが、新型コロナウィルス感染症による損失が▲375mil計上されているため。
★感染症による損失とは?減損か何か?なのでしょうか。

画像3

★簡易的な営業CF計算書を作成。
★これによると1Qは▲20億円ショート。
★大きな理由は売上債権の減少で+50億円だったが、営業債務の減少で、▲78億円。
★営業債務の減少がとりわけ激しい。割とお人よしな会社。

【財政状態】

画像4

★自己資本比率 43.8%
★d /e Ratio 0.19倍。
★ネットキャッシュが+200億円。対総資産比率で25.2%
★時価総額が141億円と、総資産が797億円の会社とは思えないサイズ感。
★財政状態はかなり良好と評価して差し支えないでしょう。

【各経営指標】

画像5

★ROE,ROA,ROIC、まあ良くはない。ただコロナ禍で黒字計画建てられるだけご立派。裏を返せば、キャッシュをいっぱい持っている、ということでもある。
★グレアム指数が2.73倍、PBRが0.41倍という驚異の安さ。なんで??というくらい安い。
★EV / EBITDAはマイナス。EVがマイナスの会社で、それが面白い、というか安すぎると感じて、NOTEにアップしている。
★EV = 時価総額 - ネットキャッシュで計算している。つまりEVがマイナス、ということはその会社は、保有している現金よりも価値がない、と市場に判断されている状態だ。
★どう考えても、キャッシュよりも価値がないというのはおかしいかとは思う。薄いとはいえ、営業利益率は黒字を確保しているので。
★配当利回りは3.4%とそこそこ高い。配当性向は普通だが。
★つまり、株価が安すぎるということでもある。安いから、そこまで低くない配当性向(しかも利益めちゃ薄い)で利回り3.4%にもなるのである。
★これだけ財政状態が悪くなければ、まあ資金繰りに窮することもない。保有していれば、3.4%の配当にありつける。ここまで過小評価はちとひどくはないか、という気がする。

【総括】

当社が面白いと思ったポイント。
★コロナ禍真っただ中の4-6月期に増収増益(対前期)
★にもかかわらず株価は安く、EVがマイナスになっている。
★グレアム指数がなんと驚異の2.73倍。5倍を割っている。安すぎ。
確かに、派手なグロース株と比較すると見劣りするかとは思う。
時代遅れの建設業だし、衰退国家日本で価値が倍や3倍になっていくサクセスストーリーは描きにくいのは確かである。
ただだからと言って、ここまで不当に安く放置される理由としては弱いと思ってしまうのは上に書いた通り。
なんと言っても、カネは持っているので。その保有するカネよりも価値がない、とはさすがに薄いとはいえ黒字を確保している会社にあまりに失礼とは言えばあまりなのではないか。
「そんなに安いと思っているのなら、自分で買えや」と言われるかもしれない。そしてタイミング次第では買ってもいいかな、と思っているくらいである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?