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『魂の光』解説年間講座 第3回レポート(後編)

『魂の光』解説年間講座 第3回のレポート後編です。


もうひとつの秘策!?

これまでサマーディ達成の方法として、チッタのブリッティ(心の作用)をニローダ(止滅)しなさいだの、アッビャーサ(繰り返し反復して努力)しなさいだの、ヴァイラーギャ(離欲)しなさいだのムリゲーなことを言われてきました。

そんな中、今回のスートラの解釈でこんな文章が。

YOGAのゴールである「心を収め、自分を知るサマーディ」は、繰り返しの練習と、見極めに加えて、もうひとつの秘策があります。

そんなものがあるなら早く言ってよ、と思いましたが、続きを読むと、

たとえ、生まれつきサマーディ(瞑想)の才能がなくても、すべての時間とエネルギーをYOGAや瞑想の時間に注ぎ込むことができなくても、「イーシュヴァラ・プラニダーナ」で深いサマーディはできるというのです。

イーシュヴァラ・プラニダーナ? なんざましょ?


イーシュヴァラ・プラニダーナ

イーシュヴァラはイーシュという語源。「すべてを統率する、司る」という意味、プラニダーナは、プラ(完全に)ニ(近くにある存在に)ダーナ(明け渡すこと、捧げること)だそうです。

なんかとてつもない存在に自分を捧げないといけないようで何だかコワイですね。
この強そうな存在「イーシュヴァラ」とはいったいなんなのでしょう。

イーシュヴァラについての各書の理解を下記にまとめます。

イーシュヴァラ

全知全能の神的な存在、宇宙意識、至上の魂。そのような存在に献身するとはどういうことでしょうか。


AUM(オウム)

オウムと聞くと日本人は嫌な気持ちになってしまいますが(つくづく罪深い人々だ!)、オウムは神秘音であり、イーシュヴァラをことばで表したもの、だそうです。

この世界は音と形でできています。音で表される意味と名前、それに伴った形で世界は構成されています。口を大きくあけた「あ」という音で始まり、口を閉じた「ん」で終わるAUMの音の間に世界のすべてを表現できる音が入っています。よって、全世界を表すAUM(聖音)はイーシュヴァラの呼び名となるのです。


ジャパ瞑想

マントラを繰り返し唱える瞑想をインドの伝統で「ジャパ瞑想」といいます。

オウム(聖音)という1つの音の対象に、自分の考え(マン)をつなぎとめる。そのための道具(トラ)がマントラ。

マントラという音を瞑想の対象にして、私たちは自分の心の動きを1つに定め、意思の力で流し続けることができます。
マントラを唱えることでチッタをニローダする練習ができるということですね。

唱えるだけ、ならできそうな気がする!と思ってちょっと「ジャパ瞑想」について調べてみたのですが、通常は108回を1セット(1マーラー)として、1008回、1万回、10万回などを唱えるそうです。喉干からびてしまうがな。初心者でも30分は続けてみて、とのこと。意識の中にマントラが浸透し、数日の内にその恩恵を感じ取ることができるようになるそうです。

「もうひとつの秘策」も一筋縄ではいかぬものでしたね。


熱誠→理解→把握→決意→閃き→決意→努力

ジャパ瞑想を修することにより、すべての障害が消え、内なる自己の知が明け始めるそうなのですが、

『魂の光』ではそのステップが書かれています。

1.魂の知識を求める熱誠。
2.障害の認識、つまり真の知識を阻むものについての理解。
3.これらの障害の性質についての知的な把握。
4.それを除去しようという決意。
5.魂のリアリティーについての突然の閃き、つまりヴィジョン。
6.その束の間のヴィジョンを低位階層での経験における永続する現実にしようという新たな熱誠と固い決意
7.クルクシェトラの戦い。これにより、クリシュナ(魂)がアルジュナ(熱誠家)を着実な持続的努力へと駆り立てる。

1~3は頑張ればできそうですね。
4.は障害を理解した上でそれを除去しようという決意ですね。相当な決意が必要そう。
5.は一瞬だけど魂と繋がることができる瞬間が来る、ということでしょうか。
6.ここでまためっちゃ決意を要求されます。常に魂と繋がり続けるという生活を送る決意ですね。
7.クルクシェトラの戦いが何かよくわかりませんが、ここまで来たら魂が導いてくれるようですね。

いろいろわかってきましたが、第一関門は4ぽいです。
まずは障害を理解して、それを全て除去するぞ!という決意を持つ。

次回の講座は「障害」についてだそうです。

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