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【学校給食】クレームの背景を知るとなんだか泣けてきた

どうもタムです

「学校給食で食育だなんておこがましい。」なんて言われたことがあります。同じ職場の方ではないのですが、兼務校の50代の女先生(田中さん:仮)の言葉です。理由を聞いてみると食育は食事のマナー講座という感覚を持たれているようでした。

田中さんは、料理に対して熱心で、味付けやいろどり、料理の組み合わせなど、よく意見をくださいます。非常に勉強になるのですが、話を聞いているうちに、どこか引っかかり悲しくなってしまいました。

それは、僕の給食運営スキルが低いからでも、色々と意見を言われたことに対して、苛立ちがあったからでもありません。(ないと言えば嘘になりますが)

なぜかというと、田中さんが何らかの辛さを叫んでいるように思えたからです。

話を聞くと、家庭での食卓に不満を感じているようでした。家庭では田中さんが、家族に対して料理を作っているのですが、旦那さんは料理を食べても“美味しい”とも“まずい”とも言わず、特に会話もないまま淡々と食べ食事を終えるそうです。

なんか、冷えてますね…

また、「料理の味をかえたり、珍しい食材を使ったりして工夫してるんだけど、反応がないの…」と。

そのような反動が給食での様々な意見に現れていたいようでした。料理に対する思いをわかって欲しくて、毎日大変さをわかって欲しくて、どこにも行くことのない言葉が“給食”に集まってきていたんだなと。

僕は、旦那さんのことを変えることはできないので「そんなんですか、毎日、ほんとにご苦労されてるんですね…」とただただ、聞くことしかできませんでした。

気づき

この時、自分が行っていた食育は重要な面があるのだと感じました。

学校ではクラスを回りながら、食べるときの挨拶や、食事の感想、そして、どんなものが使われているかなどを話しています。

例えば、先日は“冬至献立”でしたので4年生には
「今日の献立に冬至に関する食べ物が3つあけるどわかるかな?」
などとなげかけました。すると、じーっと料理をながめたり、考えながら食べたり、友達と相談する風景が自然とでき、口々に「かぼちゃ!」や「ゆず」、「“ん”がついてるから、だいこんも」などと答えてくれます。

また、美味しいと感じたら「美味しい」と伝えてね!と“しつこく、しつこく”言っています。笑

(美味しくなかったときは、声を高らかにして「美味しくない」「まずい」と言ってきます。しかし、これはこれで、素直にしっかりと主張ができてるので発達の段階上、良い傾向です。)

このような小さな積み重ねで、料理に興味をもつことや、いつもの料理に感謝したり、「美味しい」と伝えようとする気持ちが育っていくと考えています

当たり前のようですが、大人は調理の感謝や料理のおいしさを伝えることが難しく、おろそかにしがちです。

子どもの頃から、美味しい、ありがとうを自然に伝えることで、将来の食卓風景が、少しでもあたたかくなるようにと願っています。

田中さん、食育って案外わるくないでしょ🌱


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