疑似感情

【詩】


日常に飲み込まれてゆくきみのsense

分刻みのアポイント浮かべる先にある

少しクセのあるクライアントの顔

忙殺されてく言葉つなぎ止めるには

何か強い感情が必要と恋をする

流れてく異国のニュースに憤る

似ているようで疑わしい感情を抱いて

つなぎ止めた言葉は体を成さない

それでもエアポケットのような路地裏

手にしたパーツできみ自身を組み立てる

ツギハギだらけのそれがカフェの窓

憐れな姿うらめしそうにきみを見る

不恰好なそれを窓に張りつけたまま

踵をかえす次のアポイントまであと5分


tamito

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#詩

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