正しくまっ直ぐな線

【詩】


思いがけず風に鳴るいつかの鈴に

描くその先にどんな色を置こうか

地上に映る星を左目で眺めながら

正しくまっ直ぐな線を右目が語る

幾層にも織り重なる音のなかから

選んだふたつの符が夜に溶けあい

言葉のない国のことを思いながら

闇の向こう光る羽に焦点が重なる

悪戯な妖精を退け狡猾な猿を追い

暗と闇の境界にそっと息づいては

小さな発光に手を差しだしていま

正しくまっ直ぐな線を引いてゆく


tamito

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#詩

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