38万キロの記憶

【詩】


記憶のなかの景色はまだらに色を欠いて


感情の断片がもどかしくもつながらない


あの花がどんな色だったかを思い出せず


小さなハンカチの香料だけが微かに残る


補修された記憶に縛られるたび月を見る


38万キロの彼方に時を超えた記憶がある


tamito


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#詩

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