【詩】
つまらない嘘や些細なごまかしが
胸の奥底に降り積もる
秋の空のように透き通った清廉を
僕らはいつ手放したのか
君の瞳が小刻みに色を変え
ペンを握る僕の右手が震える
安全装置のような嘘を内包し
潤滑油のようなごまかしを注す
そんな物語や言葉の綴りに
悲しみ以外の何も読み取れず
僕は左手を添えてペンを折る
それでもいつかこの空を取り戻すために
嘘やごまかしを脱ぎ捨てて
100パーセントの姿で向き合えること
僕の物語が、君の物語が、あなたの物語が
いつか美しい旋律を生み出すこと
それだけを信じている
tamito
作品一覧へ
#詩