【詩】
はるか昔
2000光年離れた宇宙の果てで
ひとつの星が消滅した
ありきたりな話ではある
けれどそうして
在るものは消え失せ
そしてまた生まれる
幾度も幾度も幾度も幾度も幾度も
胡蝶の夢のそのまた夢のように
世界は不確かで、脆い
僕の憂鬱も君の恐れも
僕の苦悶も君の憂いも
あまりに不確かで、脆い
だから、勇者のように力強く
いま、この瞬間に全力で
在ることにしがみついて赤子のように
存在し続けようと獣のように
意識を超えて全力で
最終列車のつり革に在って
2000光年先の星の消滅
tamito
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