【詩】
あらゆる闇を照らしてそれは
まばゆく白い世界ゆがむ境界
きみが立つ場所輪郭が際立ち
動けなくなる重い影にじむ汗
どしゃ降りのように降る光が
まるで呪文きみに選択を迫る
笑うのか叫ぶのか頭ではなく
胸のうちおまえ自身に問えと
鳴る風が波音が蝉の鳴き声が
身体に染み入るまで目を瞑り
たっぷりと汗を流しそれから
縫われた影から右足をあげる
そして何を求めるか東へ西へ
形を変えながら流れゆく雲に
どこかの城を探しながらまだ
自分の影道のうえ眺めている
訪れたばかりの盛夏に戸惑い
心の在処つかみきれずにただ
動けなくなるきみの立つ場所
まばゆく白い世界ゆがむ境界
tamito
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