わたしは嫌だと言います

【シークエンス】

 

どうすればいいと思う?

なにが?

ねぇ、どうすればいい?

なにを?

どうすれば世界は美しくなるんだろう

ああ……

わたしにできることはなにがあるだろうって、いつも考えるよ

うん、ぼくも考える

身近なところでも日々あるよね

ニュースは凄惨な事件ばかりだよ

誰かが誰かを理不尽に憎んだり

誰かが誰かをひどく傷つけたり

ねぇ、どうすればいいと思う?

一人ひとりが声をあげるしかないと思う

声を…

そう、間違っていることは間違っていると

間違っていることは間違っていると

文字にしてもいいし、絵にかいてもいい

歌を唄ってもいいよね

うん、歌を唄ってもいい

そうか、やることはいろいろあるね

とにかく間違っていることには「NO!」と声にするんだ

うん、でも…

でも?

なにが間違っていてなにが正しいかって、難しいよね

うん、だから、深く理解をしなければならないんだ

理解を…

そう、理解を

例えば、わたしが暗がりで突然誰かに襲われたとしても、そのひとのことを理解するの?

今、起きていることには逃げるか戦うか対処するんだろうね

対処を

ちなみにもしそいつがきみを傷つけたなら、ぼくは決して許さないけどね、どんなに理解しようとも

理屈じゃないんだ

そう、理屈じゃない、だから難しいんだ

いずれにしても、これ以上こんなことが続いちゃいけないよね

だから「NO!」と言わなきゃいけない

うん、わかった、わたしも「NO!」と言うよ

ぼくは「嫌だ」と言います

わたしも「嫌だ」と言います

 

tamito

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#小説 #わたしは嫌だと言います #いつものふたり

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