野菜を摂る

【詩】

 

もうだめだと何度 言いそうになって彼女は

喉元にひっかかった言葉 無理やり飲み込む

残業のあと電車のつり革 夕食メニュー考え

好きでもない野菜 どう摂ろうか検索かける

いつまでも連絡来ない人 メッセージ探して

目の前 空いた席気づかず隣のつり革に譲る

誰のためでもないはずの時間 馴染めず一人

いつまでも宙ぶらりんな 影ひきずって歩く

野菜は煮たほうが食べやすい 夕食が決まり

いつものスーパーへと 改札を抜けて彼女は

 

tamito

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#詩

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