手あて

【詩】

悲しい思いはいつ過去になるの

いまのあなたにかける言葉を

ぼくは持ち合わせていないから

黙って手に手を添えましょう

ぼくの気持ちが血液を通し

あなたの皮膚に浸透して

あなたのこころに届くでしょうか

起きた出来事は取り戻せないのです

だから少しでも傷が癒えるよう

ぼくはあなたに手をあてましょう

どうか言葉を超えられますよう

どうかこの血のぬくもりが

あなたのこころを守りますよう

悲しい時が過ぎ去りますよう

ぼくはあなたの手に手を添える

tamito

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#詩

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