全力疾走

【詩】

空が青くて全速力で走った

頭のなかのイメージは100メートル12秒74

中学3年のときの公式記録だ

それ以来トライアルしていないので

その先に未来があったかどうかは知らない

それに僕の主戦場は110メートル障害だったから

なんて言い訳をいまでも抱えている

冷たく乾いた風を正面から受けとめた

ただ歩いていれば寒さに凍えるだけで

手段を目的に変えれば脳が信号を送る

寒さよりもっと感じるべきことがあるはずだ

寒気はむしろ惑う意識を覚醒させる

大地を蹴って前へ

大地を蹴って前へ

言い訳も悔恨も贖罪も

置き去りにして前へ


tamito

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#詩

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