【詩】
ぼくらは与えられた自由を当たり前のものとして不自由を嘆く
ほんとうの自由とほんとうの不自由の境界は曖昧だから
表層的な「自由」と「不自由」を規定して安心している
あるいは社会生活を営む上でのさまざまな枷に身をゆだね
他人を責めたり自身を許したりするゲームに甘んじている
所属する社会が崩壊することを人は容易には想像できない
けれど先達が作り上げた社会や勝ち取った自由がいま
完全だと思われた世界が崩れさろうとしている
与えられた自由も不自由も意味のない新しい世界でも
空は青く風は涼やかに鳥は虫をついばんでいてほしい
tamito
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