訣別のしかた

【詩】

 

さようならさようなら昨日までの自分

こんにちはこんにちは今日からの自分

ちっぽけな見栄で大切なこと忘れてた

ごまかしの嘘でほんとから目を伏せた

日のひかり届かぬ地下道を歩いてきた

月のない夜に耳を塞いでうずくまった

花の色も香も木々揺らす風のそよぎも

鏡の向こう側のように静かで味気なく

きれいな言葉で着飾って心閉じ込めた

高い高いビル見あげ羨望と失望あふれ

こぼれてしまわないようぐっと堪えた

放っておいてくれと世を捨てたふりで

でもほんとの話をしてみたかった誰か

そんな雨の日が二千日以上続いていま

訣別のしかたについて考えているいま

だからさようならと言ってみる昨日に

だからこんにちはと言ってみる今日に

 

tamito

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